初めてのお友達 ページ22
⁇?視点
初めてだった。
転んだ自分に声を掛けてくれた。
その理由は何であれ、少なくとも周りの奴らとは違った。
眉をひそめて群れて、その群れの中でひそひそと話している奴らとは、少なくとも違う何かがあった。
曇り一つない瞳からは、元気だとか、好奇心旺盛だとか、そんなことが伺えた。
根暗気味な自分は、そんな性格の奴はあまり好きではない。
友達なんてなる筈ではなかった。
筈ではなかったのだ。
でもその曇り一つない瞳には明るいということを意味している他に、どこか暖かいような優しさが確かにあった気がした。
______安心する。
だからあんなに笑顔で笑ったのだ。
笑ってしまったのだ。
「君、名前はなんて言うの？」
差し伸べられた手を握って立つと、そいつに名前を聞かれた。
正直、初対面であんな笑顔を作ってしまったのは失敗だった。
魔界はどんな奴が居るか分からないし、元より明るい性格の奴は好かないのだ。
「…自分から名乗るのが礼儀じゃないの。」
少し強い口調で言ってみた。
多分さっきの自分と打って変わった態度を取られて、驚いたのだと思う。
目を見開いて、すぐにこう言った。
「あ、ごめん！ボクはミナヅキ・キク。キクって呼んでくれると嬉しいな…」
謝った…？
日常茶飯事のように殴り合っている奴らとは大違いだ。
簡単に言えばいい性格なのかも。
「(悪魔らしくない…)」
角も尻尾も無いし、やっぱりこいつは悪魔では無いのか…？
本来角と尻尾がある場所に目を順に向けて、此方も名乗った。
「…俺は、ヴルガ・サカゲ。好きに呼んで。」
「サカゲ…かっこいい名前だね！」
キクは嬉しそうに微笑むと、周りを見渡して何かに気付いたようにまたにっこりと微笑んだ。
どうやらキクの友達が元々居たらしく、朱色の髪をした少し背の低い悪魔に走っていくと、
「ライ君！あの子…サカゲ君とお友達になったんだー！」
キクに微笑みながらライ君と言われた悪魔は、見慣れた光景かのようにやれやれとため息をついた。
その様子から察するに、普段からキクの世話を焼いているようだ。
「……インヴァリッド・ルイス・ライドだ。よろしく頼む。」
明らかに面倒臭いとでも言いたげな顔だ。
これは____キクの世話を覚悟した方がいいかも。
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氷鬼 - ご意見ありがとうございます！やり方を模索してきます！ (2021年6月19日 16時) (
レス) id: 08c92f6113 (このIDを非表示/違反報告)
きくお - わかり次第最初の方に入れさせていただきます！ (2021年6月16日 20時) (レス) id: 36299c86b0 (このIDを非表示/違反報告)
きくお - すみません画像の入れ方がわからなくて… (2021年6月16日 20時) (レス) id: 36299c86b0 (このIDを非表示/違反報告)
どん - 夢主人公のイメージイラストが見てみたいです (2021年6月16日 18時) (レス) id: 2a665cb182 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：氷鬼ーひょうきー & 水無月の菊&境影 | 作成日時：2021年4月26日 17時
