ぶつかったあの子の探し物 ページ3
「…一緒に、探そうか？」
影で気づいたのか、振り返った彼に声をかける。正直、ボクはしまったと思った。衝動的に声をかけてしまうのは、ボクの悪い癖だ。周りに探しものをしている子はこの子以外見つけられないし、もしかしたら一人で探したいものなのかもしれない。
…そこまで考えて、返事がきた。
「本当か！？ありがとう!!一緒に探してくれ!!!」
探しているものを伝えてもいないのに、必死に探し始める彼がなんだか可笑しくて、思わず口角が上がる。
「！？なぜ笑う？？笑い事じゃないんだぞ!!!!!!!!」
予想以上に大きな声に、少し音に敏感なボクの耳が悲鳴をあげる。
「ひぇ…声大き過ぎ…」
声が出てしまう。
「えっ、あ、ごめん…」
さっきから焦ったり、怒ったり、しゅんとしたり。彼は中々感情が忙しいらしい。それさえ少し可笑しくて、やっぱり声をあげて笑う。
「ふっ…はは…」
そしてやっぱり彼は驚いたように、
「だからなぜ笑う！？」
と叫ぶ。仕方なく、きちんと伝えてあげる。
「探しもの、教えてもらってないよ？」
「え？あ！すまん!!」
いいよ、と笑って見せると心底安心したように、
「ありがとう、これくらいの巾着なんだが…」
説明を聞き、ボクも探し始める。
…ん？あそこに落ちてるのが、巾着、かな？とりあえず、見に行ってみる。やっぱり、そうだ。説明してもらった巾着に、間違いない。今も探し続ける彼に、声をかける。
「ねぇ、これじゃない？」
結構大きめの声で言ったから、少し遠くの彼にも聞こえたはずだ。
「!…これだ!!!ありがとう!!本当にありがとう!!何かお礼をさせてほしい…できる限りのことはする!!!!」
そう言われても…と困っていると、いい考えが頭に浮かぶ。
「じゃあ、ボクのお友達になって！」
驚いた顔になる彼に、悪戯が成功したような笑みを向けた。
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氷鬼 - ご意見ありがとうございます！やり方を模索してきます！ (2021年6月19日 16時) (
レス) id: 08c92f6113 (このIDを非表示/違反報告)
きくお - わかり次第最初の方に入れさせていただきます！ (2021年6月16日 20時) (レス) id: 36299c86b0 (このIDを非表示/違反報告)
きくお - すみません画像の入れ方がわからなくて… (2021年6月16日 20時) (レス) id: 36299c86b0 (このIDを非表示/違反報告)
どん - 夢主人公のイメージイラストが見てみたいです (2021年6月16日 18時) (レス) id: 2a665cb182 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：氷鬼ーひょうきー & 水無月の菊&境影 | 作成日時：2021年4月26日 17時
