大好きだよ、大切なひと。 ページ15
視界が赤に包まれている。
熱い。怖い。痛い。
助けて、とも言えなくて、涙が溢れて止まらない。
流しても流しても、乾いていく涙が、刺すような痛みが、出せない声が、どうしようもなく怖くて。
そんな中、目の前に伸ばされた手。
「■■■!助けに来たぞ。」
「■さん!」
弱々しく掠れた声で■さんを呼ぶ。安心すると同時に、冷静な思考が戻ってくる。
焼けた肉の匂い。鋭く尖った針で、突き刺されるような痛み。
多分、僕はもう助からないのだろう。
___でも。
君は、まだ助かるから。
僕達の家は、もう一分の隙間もなく炎に包まれている。
__窓から飛び降りよう。
僕が死ぬのは確実に早まる。でも、だからと言って君を道連れにはできないから。
僕の手を引こうとする■さんを後ろから抱き締める。僕が大好きで、大好きで、堪らなく恋焦がれた君を。
これで最後だから。
絶対離さないように、強く、強く、抱き締める。
恐怖と痛みで震える足に鞭を打つ。
そして、君を抱き締めたまま、僕達は落ちた。
いつも、君が優しい顔で空を見ていた窓から。
雨で少し湿った地面に背中がぶつかる。
■さんの無事を確認する。目蓋が重くなっていく。
それが、安心からか、最期が近づいているからかは、もうどうでも良かった。
目蓋が完全に閉じる。
僕の傍に駆け寄ってきた■さんに、言いたいこと、伝えたいこと。
ごめんね、とか、今までありがとう、とか。
それこそ、数えきれない程たくさんあるけれど。
もう、時間がないから。
一番伝えたいことを、今、大切な君に伝えよう。
『___大好きだよ、大切なひと。』
寝起きみたいに掠れた声で、そう呟いた。
評価くそ低いんだがfuzza→←痛い…いてぇっつってんだろ!
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氷鬼 - ご意見ありがとうございます!やり方を模索してきます! (2021年6月19日 16時) (レス) id: 08c92f6113 (このIDを非表示/違反報告)
きくお - わかり次第最初の方に入れさせていただきます! (2021年6月16日 20時) (レス) id: 36299c86b0 (このIDを非表示/違反報告)
きくお - すみません画像の入れ方がわからなくて… (2021年6月16日 20時) (レス) id: 36299c86b0 (このIDを非表示/違反報告)
どん - 夢主人公のイメージイラストが見てみたいです (2021年6月16日 18時) (レス) id: 2a665cb182 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:氷鬼ーひょうきー & 水無月の菊&境影 | 作成日時:2021年4月26日 17時