痛い…いてぇっつってんだろ! ページ14
ラ◆※●★?視点
くっそいてぇ…。
頭が痛む。目が開かない。
頭が痛すぎて、なんと言うかもやっとしていて。
自分が誰かわからなくなる。
もやっとしながらてを伸ばし。
掴んだ。
『どうしたんすか?冷さん。』
ふにゃりと笑う彼女の服を。
ずっとずっと会いたかったその人を。
「捕まえたっ…!!」
辛い気持ちがあるのに、なぜ辛いのかわからない。
まるで、明日も明後日も会える気がして、言うのをためらってしまう。
会えないんだよ…もうずっと!!
いつもの家。
食器を洗う彼女。
周りが燃えていく。
何か言わなければ。
手を伸ばす。
…その手が壁にあたった。
「!?」
届かない。
頭に痛みが走り、周りが歪む。
やめてやめて。
これ以上なにもしないで。
燃えているのに息が苦しくなく、ただただ、暗く落ちていく。
落ちて、堕ちて。
真っ暗になりかける。
でも。
まだ。
終わらないから。
手を、伸ばして____。
暗闇を、掻き分けて__。
広がった視界にうつったのはどこかで見たような黄金色の海。
その美しい景色に合わない赤い空。
でもそれが生きていると言う実感を強めてくれる。
ああ、そう言えばこの景色は向こうで液晶越しに見たな___。
まだ、僕は生きているよ。
見捨てないで。
やめて。
目を閉じないで。
僕は生きているから。
君も此処にいるんでしょ?
嗚呼、いかないで。どうか。
僕を。
僕を、置いてかないで。
そっと目を開く。
ベッドの傍らには君が立っている。
それが幻覚だとわかっているから、瞬きは我慢する。
__久しぶり。
ああ、本当に久しぶりだな。
__此方は楽しい?
はは、そんなわけあるか。
だって君とまだ暮らせるのなら願ったりかなったりだ。
__じゃあおいでよ。
それは無理だな。
__なんで?
さっきの言葉で偽物_幻覚だと分かった。
嗚呼、でも君の顔を見たい。
記憶が不完全な僕のせいで顔を真っ黒に塗り潰された君の、目があると思うところを見つめた。
此方でな、おまえみたいな馬鹿に会ったんだよ。
平民の常識を知らなかった所とか、すぐ捕まえようとして来るところはおまえそっくりだ。
でもな、その笑顔を守りたいと思ったから、此処から__魔界からは還らないかな。
君に微笑んでサヨナラをする。
目を開けたら消えてしまった君。
そこに何もいなかったかのようにベッドをおりた。
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氷鬼 - ご意見ありがとうございます!やり方を模索してきます! (2021年6月19日 16時) (レス) id: 08c92f6113 (このIDを非表示/違反報告)
きくお - わかり次第最初の方に入れさせていただきます! (2021年6月16日 20時) (レス) id: 36299c86b0 (このIDを非表示/違反報告)
きくお - すみません画像の入れ方がわからなくて… (2021年6月16日 20時) (レス) id: 36299c86b0 (このIDを非表示/違反報告)
どん - 夢主人公のイメージイラストが見てみたいです (2021年6月16日 18時) (レス) id: 2a665cb182 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:氷鬼ーひょうきー & 水無月の菊&境影 | 作成日時:2021年4月26日 17時