傍観者【MASHLE】 (ページ7)

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3［面白いコト］ページ7

時は流れ、とある日の夜中のこと。

マッシュはランスやドット、そしてフィンらと共にレモンを追いかけて学園の地下の闘技場を進んでいた。
…まあ、途中で砂の魔法により分割され今は一人だが。

マッシュ「…はぐれてしまいましたな」

普通の人であれば驚き慌てる状況の筈だが、マイペースレベルMAXのマッシュが同じ反応をするわけがなく。呑気にマッシュクリームの歌を歌いながら薄暗い廊下を歩いていた。
そんなマッシュの背へ、近付く影がひとつ。

マッシュ「シューはシュークリームの……」

『んは、何やその曲おもろいなぁ』

マッシュ「あ、名前くん」

『数日ぶりやねマッシュくん。』

ひょこり、と覗き込むようにマッシュに話しかけてきたのは、先日の課外授業の際に出会った名前・フォックスであった。突然の登場に驚くマッシュを他所に、名前はマッシュの持つシュークリームを物珍しそうに眺めている。…こいつもマイペースだな

マッシュ「…名前くん、何でここにいるの？」

『んー…なんか面白そうなコト起きそうやったから、かな？あと人探し』

マッシュ「人探し？」

『そ、ちょっと探さんといかん人おってな。』

マッシュ「ふーん……」

「人探し」。もしかすると名前も友人を見つけるために此処にいるのだろうか。
マッシュは名前の顔を見つめるが、その表情(かお)は薄い笑みを浮かべたままで何か感情を読み取ることはできそうにない。そのまま暫く眺めていたマッシュだったが、名前の困ったような『…なんか顔に付いとる？』という声で正気に戻ったのであった。

『…着いて行ってもええ？』

マッシュ「うん、いいよ。…あ、僕が怪我したら前みたいに治してくれると嬉しいかな」

『勿論や、任せとき』

どうやってこの場所までやってこれたのかは謎だが、名前という頼もしい仲間(ヒーラー)がついたマッシュ。友達に会えた安堵感もあったのか、次から踏み出されるマッシュの歩みは先程よりも少し軽いもののように感じた。

『ちなみに…その、マッシュくんが手に持っとるやつってなんて言うん？』

マッシュ「…え、シュークリーム知らないの？」

『いや、初めて知ったわ。シュークリームって言うんやね、今度食べてみるわ』

マッシュ「…あげる」

『え？』

マッシュ「あげる、から食べていいよ」

『お、おおきに…』

…そしてそれと同時に、名前に今すぐシュークリームを布教しなければと思ったマッシュであった。