幼馴染の中村に溺愛されてます。

２１・中村君にライバル登場 ページ21

思わず、心臓がどきっと跳ねる。


　 その人から香る、さわやかな、オレンジの香り…


　 「＿＿＿＿っマ、マイナス６４！！」



　 反動のように私がそう叫ぶと、先生は「お、めずらしいな、正解」とかなんとかいって黒板を書き始めた。


　 すると、ようやく隣の席の男の子は私から手を離してくれた。


　 その男の子に目を向けると＿＿＿＿


　 にこにこと、なにやら不敵な笑みを浮かべている、茶髪の…



　 あっ、そうそう、片岡桜羅君！

　
　 イケメンと、女子にモテモテで、モデルにもスカウトされたことあって、小さいころはモデルをやっていたらしいケド…


　 ってか、隣の席なのに知識無さすぎ私…


　 「危なかったね、先生に怒られるトコだったよ」


　 そう、にこっと微笑んで、小声で私に話しかける片岡君。


　 思わず、その笑顔のスター性のある眩しさと、神々しさにどきっとまたまた心臓が反応する。


　 「そうだね…ありがとう！」


　 「A、寝てたでしょ。」

　
　 突然ズバッと片岡君に言われ、ギクッとなる。



　 「ちょ、ちょっと…寝てた…かも。ってか、片岡君、見てたの！？」


　 私がそういうと、片岡君はふっと笑いながら


　 「見てたよ。あと、片岡君じゃなくて、桜羅、でいいよ」


　 と、言ってきた。ん？みよじと名前、何が違うんだろう。と思いながらも


　 「わかった、桜羅君、ね」


　 「うん。次片岡君って読んだら、お仕置きだからね」



　 そんな、約束をした。


　 さっきの、片岡君と、み、密着することになった事件も、幸い、誰にも見られてなかった。


　


　 ＿＿＿＿＿私が気付かなかった、たった一人を除いて。

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