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次の日、報告も兼ねて警察庁に訪れた。
『 明日から長期間に渡る任務を行う事になりました 』
「 そうか。くれぐれも気を付けろよ 」
『 はい 』
談話室を出て自分のデスクへ戻ろうとすると、
『 風見さん 』
資料を持った風見さんを見かけた。
風「 どうしましたか？ 」
『 少しここで待っててもらえませんか？ 』
風「 え、えぇ 」
急いでデスクへ戻り、ある物を鞄から取り出した。
『 これ家にあるかもしれませんけど、良かったら 』
風「 これって、 」
前、風見さんがおすすめしてくれたルイボスティー。
『 風見さんお疲れのようですので 』
あげたルイボスティーをじっと見つめている。
『 風見さん？ 』
風「 あ、あぁ。ありがとうございます 」
『 家にあるのなら無理しなくても、 』
風「 いえちょうどストックが切れたので 」
食らいつくようにそう言う風見さんはどこか嬉しそうに見える。
風「 では失礼します 」
『 お忙しいのにすみません 』
風「 Aさんが謝る必要はありませんよ 」
『 ありがとうございます
あ、明日からアメリカに行くんです 』
風「 アメリカ … 」
キリッとした三白眼が揺らいでいる。
風「 … そうなんですね 」
寂しそうに見えるのは気のせいだろうか。
風「 気を付けて下さい。では私はこれで 」
私もその場を離れようとすると、
降「 風見と話してたのか？ 」
背後から声がして、振り向くと零君が立っている。
『 うん。ちょっとね 』
降「 アメリカに行くんだな 」
話を聞いていたのだろう。
『 実は明日から仕事でアメリカに行くの 』
ウソはついていないはず。
『 重要な仕事だから数年は帰って来れなくて 』
降「 数年 … それくらい重要な仕事なのか？ 」
『 うん 』
降「 必ず無事に帰って来い 」
ウソをつくごとに私が私でいられなくなる。
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作者名：こ こ | 作成日時：2023年6月22日 23時
