もう一人の同期4 (ページ36)

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「ど、どういう意味ですか？

エンジェルが微笑みかけてくれなかったって」

有「それだけ苦労をしてるって事よ！ねぇ、シャロン！」

ベ「ええ … 私の人生は不幸の連続」

それはベルモットとして言っているの？

それとも大女優シャロン・ヴィンヤードとして言っているの？

ベ「死ぬ思いでスクリーンデビューしたその日に、

父と母を火事で亡くしオスカーを取った翌日に夫が病死」

ベルモットが今言ってる事は全てシャロン・ヴィンヤードの物語なのだろう。

ベ「私の娘として鳴り物入りであっさりデビューし、

ちやほやされてるクリスとは雲泥の差だわ」

有「またまたぁー手塩にかけた自慢の娘なんでしょ？」

ベ「あんな子、もう娘とは思ってないわよ」

クリスと言う女性は、ベルモットが変装した架空の人物。

有「え？」

ベ「信じられる？あの子、夫の墓に

花を添える私の背後に立ってたのよ？」

『( 全部架空の話なんだろうな )』

ベ「夫そっくりに変装して

ジョークにしてはブラック過ぎると思わない？」

有「そーいえばシャロン言ってたわね

娘にせがまれて変装術を教えたって」

ベ「もう10年近く会ってないわ

達の悪そうな友達とつるんでたみたいだし」

それより周りの人達がザワザワしている。

ベ「お客達もカメラが

回ってない事に気づき始めたようだし」

新「でも何で

ミュージックが始まる一時間前なんだよ？」

有「バカね … そんなに早く

彼らに会ってもただの人 … でも開演直前だと」

有希子さん達と劇場の楽屋へ向かうと、

「 Oh, Sharon!(まあ、シャロン!) 」

「 You meant that!(本当に来てくれたのね!) 」

「 I'm so thrilled!(感激〜!) 」

メイクアップして女優の顔になっている。

たくさんの舞台女優に話しかけられてて、楽しそう。

「みんなシャロンに憧れてるんだ」

そんな大女優の裏の顔を知ったらどうなるのだろう。