もう一人の同期4 (ページ29)

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『( 11月7日っていえば、 )』

研二君と陣平君が死にかけた日で、あれから何年経ったのだろうか。

『( グループトークあれからずっと閉じてたけど … )』

今更返信しても怒られるのが目に見える。

『( でも生存確認はしておいた方がいいよね )』

半年振りに携帯を開くと、通知が何百件も溜まっている。

『( スミマセン )』

萩原Aちゃん無事か?
お願いだから無事でいて

伊達勝手に死ぬなんて許さないからな

松田頼むから無事でいてくれ

降谷頼む、返信してくれ

諸伏Aちゃん、無事?
お願いだから既読付けて

申し訳ない気持ちでいっぱいでメッセージを送った。

A本当にごめんなさい、無事です
携帯の電源を落としてました

半年も皆を放置してた事に自分が不甲斐ない。

すると秒速で既読が付き、怒涛のメッセージがきた。

『帰ったら死ぬかも』

班長さんから電話が来て通話ボタンをタップすると、

松〈おいA！！〉

萩〈ずっと心配してたんだぜ！？〉

降〈気が気じゃなかったんだぞ？！〉

伊〈電源を落としてただとぉ？〉

諸〈本当に心配したんだからね！〉

班長さんの携帯なのになぜか皆の声が聞こえる。

萩〈どうして皆がいるの？って思ってるだろ〉

諸〈今Aちゃんの家で皆で飲んでるんだ〉

声を出そうとするも、なぜか上手く声が出せない。

松〈もしもし？おい聞いてんのか？！〉

降〈どうしたんだ？何か合ったのか？〉

『っ …… 』

皆の声を聞いたら涙がとめどなく出てくる。

伊〈 A？どうしたんだ？〉

《ううん。何でもないよ》

でも泣いてる事が皆に簡単にバレてしまった。

萩〈嘘だろ？今泣いてるでしょ〉

松〈 … そっちで何か合ったのか？〉

異様な雰囲気を察したのか、静かになった。