166_side降谷 ページ17
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『 行ってきます 』
そう言うAはどこか寂しげで、儚げな笑顔だった。
松「 行っちまったな 」
萩「 Aちゃんの笑顔が悲しく見えたのは俺だけ？ 」
どうやら、そう思ったのは僕だけじゃないらしい。
伊「 何だか最後の別れの挨拶みたいだったな 」
萩「 Aちゃん無理しないといいけどな … 」
降「 ヒロ、どうしたんだ？ 」
玄関をいつまでも見続けているヒロ。
諸「 Aちゃん帰って来るよな 」
降「 ああ。帰って来るさ 」
松「 数年会えないのか … 」
改めて聞くと数年会えないのは寂しい。
萩「 Aちゃんの存在って大きいね 」
降「 だな。全員Aに救われてるな 」
ナ「 私もAちゃんに救われたわ 」
伊「 Aは周りを優先するからな 」
諸「 そうだな 」
僕達ばかりAに守られてどうするんだ。
萩「 今度は俺達がAちゃんを守らないとな 」
松「 だな 」
全員この後仕事がある為、Aの家を後にした。
合鍵は僕が預かっておく事になった。
降「 おはようございます 」
自分のデスクへ座る。
Aのデスクは空席で、寂しさが襲ってきた。
降「 Aがいないだけでこんなに虚無感とはな … 」
すると携帯のバイブ音が鳴った。
降「 こんな朝っぱらから … 」
画面を開けば、ジンからメールが届いた。
Ginスコッチと共にネズミを始末しろ
降「 この事を知ったらどう思うんだろうな 」
そんなの分かり切っている事だ。
降「 行くとするか 」
ジャケットを羽織り、駐車場へ向かった。
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作者名：こ こ | 作成日時：2023年6月22日 23時
