第五十九話 見て見ぬふり ページ21
私が嫌がるわけないでしょ、と言い捨てたレアに続き、全員の承諾を得た鋼牙は、早速参加届けを担任に提出した。
鋼「あとは次にトーナメント表が来るまで待つだけだね。」
疾「そうだな。ほら、ハロウィンは過ぎたけど、カボチャタルト、食うか？」
鋼「…器用だよね、疾風って。頂くけどさ。」
あ、おいしい、と思わず口にすれば、満足そうに疾風が笑う。
視界の端にすごい顔をしている美羽がうつったが、鋼牙は無視を決め込んだ。
疾「まあ、カボチャタルトで機嫌が直るなら作っても損はないだろ？琴美が持ってきたカボチャの中身が余ってたしな。」
鋼「それでまんまと機嫌直してる僕も僕だけどね…」
少し拗ねたように尖らせた鋼牙の口を疾風が指でつまみ、アホな顔、と笑う。
顔を横に振って疾風の指から逃れた鋼牙が、ふうと一息ついてタルトをつまみながら口を開く。
鋼「なんか、嫌な感じ。やる気でないっていうのかな。季節はずれの五月病かも。」
疾「それってまさかだけど、来週にテストが迫ってるからじゃないよなあ？」
鋼「ぐっ」
疾風はここぞとばかりににやあっと笑う。
疾「気のせいかとは思うけど、鋼牙がここで勉強してるの見た覚えが無いんだよね…ほら今関係ありませんとばかりに目をそらした琴美と美羽もさ？どう？準備大丈夫？？」
琴「うっ」
ぱぱぱっと、目にも留まらぬ早業で、マンガやゲーム機を奪った疾風は、談話室の隅にあるクッションの方へ戸惑いも無くそれを投げ捨てた。
美「ああーーーッ！！！ひどい！ひどいよ！壊れたらどうすんのさー！！」
疾「心配しなくてもどっちも無傷になるようにちゃあんとしてありますー。現実逃避してないでほら、さっさと勉強勉強！！」
鋼「くうっこいつ、自分に関係ないからってェ…！！！」
琴「ますますオカン化が進んでないか！？」
急に生き生きとし始めた疾風から差し出される教科書とノートを前に、三人はあえなく没落。
終わったら動画見まくってやる、終わったら暴れられると呪文を唱えながら、しばらく机とにらみ合いをすることになったのであった。
疾「白川はもっと勉強してる筈だぞ？お前らも見習えよ。」
鋼「一緒にしないでほしいんだけど…！？」
続く
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こっちゃ(プロフ) - 海里さん» 海里さん、感想どうもありがとうございます。面白いと感じてくれてとても嬉しいです!更新も引き続き頑張っていきますw (2014年2月24日 4時) (
レス) id: cba1a90451 (このIDを非表示/違反報告)
海里(プロフ) - 初めまして！海里と申します。この小説めっちゃ面白いです！鈴也くんがめっちゃ可愛い･･･///寿先生にビビったりする疾風くんも大好きです！更新頑張ってください！ (2014年2月23日 14時) (レス) id: 6b95c59c1c (このIDを非表示/違反報告)
こっちゃ(プロフ) - チェストォォォ、ではなくテストですー。 (2014年2月12日 12時) (レス) id: fd9391362e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こっちゃ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kotcha/
作成日時：2014年2月12日 11時
