第五十七話 猛者 ページ19
ア「…君は…確か、先日談話室から顔を覗かせていたか？」
鋼「お、覚えてるの？」
ア「記憶力には多少自信がある。それで一体コソコソと何のようだ？女子生徒ならまだ予想もつくが…もしライナに危害を加えようとしていたのなら、ただでは置かない。」
鋼「いや、違うから！その、ご存知の通り、談話室から君の事見てたんだけど。身のこなしが鮮やかで、なんていうか、強そうだし、すごいなあと思ったから、し、知り合いになれたらなあと…」
ア「ではあの時声を掛ければよかったんじゃないのか？」
鋼「あの時はほら、女子がいっぱいいたでしょ？あの間を潜り抜けるには、多少乱暴になってしまうし…君にしたら、そこまでするほどの用でもないかなって…」
とても珍しい事に、鋼牙がしどろもどろになっている。隠れていたことがばれたという決まり悪さと、アリスの自重しない殺気のせいだ。
ア「…強いかどうかは自分で見極めたらいい。かかってこい。」
鋼「えっ」
返事をする前に、アリスは戦闘態勢に入っている。素手の鋼牙にあわせて、竹刀は拾い上げていない。
もうやけくそだよ、と鋼牙も腰を落とし、臨戦状態に入る。
鋼(おどおどしてばかりは性に合わないしね。)
静かに息をつき、タイミングを見極める。じり、と距離を詰めて、鋼牙もアリスを睨み返した。
今だ！と脚を蹴り上げる。
が、およそ屈強には見えない細い腕で勢いを殺され流された。
鋼「！！」
ア「いい蹴りだが…甘いな、代わりに体ががら空きだ。」
アリスは西洋人らしく長いその脚を鋼牙を支えるほうの足に引っ掛けた。
トラップだ。見事に地面に伏す鋼牙。
ア「ナイスファイトだったぞ。ただ、相手が悪かったな。懲りたら、二度とこそこそ人の家の周りを嗅ぎまわるんじゃない。」
学校に来てから初めての敗北に、鋼牙はただ目を丸くするばかりだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 8人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
こっちゃ(プロフ) - 海里さん» 海里さん、感想どうもありがとうございます。面白いと感じてくれてとても嬉しいです!更新も引き続き頑張っていきますw (2014年2月24日 4時) (
レス) id: cba1a90451 (このIDを非表示/違反報告)
海里(プロフ) - 初めまして！海里と申します。この小説めっちゃ面白いです！鈴也くんがめっちゃ可愛い･･･///寿先生にビビったりする疾風くんも大好きです！更新頑張ってください！ (2014年2月23日 14時) (レス) id: 6b95c59c1c (このIDを非表示/違反報告)
こっちゃ(プロフ) - チェストォォォ、ではなくテストですー。 (2014年2月12日 12時) (レス) id: fd9391362e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：こっちゃ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kotcha/
作成日時：2014年2月12日 11時
