何も言わないで ページ24
辛い 、辛いんだよ
玲於くんの隣に居る自分が惨めに思えて、弱い自分が嫌になる
本当はまた傷つきたくないから逃げようとしてるだけ、きっと佳奈ちゃんの恋を応援するなんて言っておいて自分が傷つかない為に諦めただけ
貴｢玲於くんといたら心が辛い｣
それに惨めな自分が、弱い自分が出てしまうから 。だから辛いんだよ
貴｢玲於くんは幸せになってね｣
佳奈ちゃんと、ずっと傍に居られる人と付き合って、愛し合って幸せになって 、そして私の事なんて直ぐに忘れて
玲於｢なんで、そんな泣きそうな声で、震えてんのに幸せになれって言うわけ｣
腕を掴んでいる手に力がグッと込められて、玲於くんの声は少し怒りに満ちている様に聞こえる
貴｢だって..｣
玲於｢だって？俺の幸せは俺が決めるし、さっき言ったじゃん、俺の幸せの中にいちごちゃんが居ないと駄目だって｣
貴｢でも、私は玲於くんの傍に居られなくなるんだよ｣
そんな嬉しい言葉も今は私にとって、心に絡み付いて離れない楔の様に心を締め付ける
玲於｢頼むから、俺の事避けないで｣
貴｢わ、れ..おく..｣
ビュウと、夏風が吹いた瞬間 、視界も匂いも玲於くんで埋め尽くされ、強く、強く抱き締められた
玲於｢いちごちゃんが何考えてるか全く分からないけど、俺はいちごちゃんの事幸せにしてやりたい｣
切羽詰まった様に、強く私を抱き締めながら言う玲於くん、足下にはドサッと落とされた果物達
貴｢つっ..、う..｣
玲於くんの温もりが暖かくて、その言葉が嬉しくてボロボロど涙が零れ落ちる、引っ込めようとしても瞳を閉じても、溢れ出てくる
玲於｢ごめん、今泣いてるのも俺のせい？｣
貴｢ちが、くて..ごめん、なさい..｣
抱き締められて行き場を無くした手、背中に腕を回す権利なんて無いんだよ、私には
玲於｢俺さ、いちごちゃんの事｣
貴｢言わないで、何も言わないで｣
この後玲於くんがなんて言おうとしてるかなんて分からない、でももし私の勘違いじゃなければきっと聞いちゃダメな言葉
だって、それを聞いてしまえば引き返せなくなる、玲於くんは幸せになれない、私なんかと幸せになれる訳ないんだから
傍に居られないのなら、終わりが来るなら今ここで終止符を打つしかないんだよ、友達に戻ろう。
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なつみ(プロフ) - 続編が見たくなるほど感動しました！いい作品ありがとうございました！！ (2018年12月5日 20時) (
レス) id: ecc44db2d1 (このIDを非表示/違反報告)
mnyny1(プロフ) - 続編書いてほしいくらい大好きなお話です！！！ (2018年12月5日 1時) (レス) id: 33af31bf18 (このIDを非表示/違反報告)
心音(プロフ) - あ〜！このお話すっっっごい！大好きでした！！ 最後の結末が感動でした！(T ^ T) つぎの新作も楽しみにしてます！ (2018年12月5日 0時) (レス) id: f04cf3a636 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - とっても素敵なお話でした。大好きです！ (2018年12月4日 23時) (レス) id: d78e2db400 (このIDを非表示/違反報告)
ますみさん(プロフ) - 皆さんありがとうございます；；一つ一つ大事にコメント読ませて頂いてます！！完結できたのも皆様おかげです。ほんとにありがとうございます。 (2018年12月4日 22時) (レス) id: ae066e6e2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ますみさん | 作成日時：2018年10月9日 22時
