金髪不良少女のマスクを外そうとするやつが居ます 2【宮侑】

75.スミレ ページ36

侑「Aちゃん」


『なぁに』
　

なかなか話し始めない侑。ずうっとスマホを見ている。

少しムッとしながらポッキーを口にくわえると、侑はそのポッキーをうちの口から抜き、自分の口に運びながら言った


侑「公園行かへん？」



＿＿＿＿＿


『うわ、めっちゃ綺麗！！』


小さく可憐な花。スミレが咲いていた。しかも、結構大量に。

そっか、ここの公園はこの時期スミレが綺麗に咲く〜言うて人気やったもんな


周りにはたくさんのカップル


『綺麗やなぁ。なんでいきなり連れていってくれたん』


侑「Aちゃん勉強ばっかで疲れとったやろ？息抜きや。」

確かに最近は徹夜で勉強をしていたため、あまり寝ていなくて寝不足の日が続いていた。

昼に少し時間があればずっと眠っているのを見て、侑は連れていってくれたのだろう。

こういうところは素敵で自慢の彼氏だ。少し子供っぽいところがあかんけどなー


『咲いた〜咲いた〜チューリップの花がぁ〜』

侑「スミレやけどな。」


歌いながら道を歩く。侑が後ろからついてくる

かなりのSNS映えスポットやなぁ


そういえば、言うのを忘れていた。


侑の方にくるっと向きなおす


『侑、ありがと。』

そういうと侑は驚いたように目を見開き、そのあとに優しく微笑んで、「どういたしまして〜」と言った。


侑の方に駆け寄る。そして、手を繋ぐ。


侑「いきなりなんやねん。」

『にへへ』


侑はパッと手を離し、世間で言う恋人繋ぎに繋ぎなおした


侑「こっちの方がええやろ〜」


『せやなー』



侑は、スッと屈むと小さくスミレを摘み、渡してきた。


『と、とっていいん？』


侑「ここはデートスポットやからな〜ここに来たカップルはスミレをとって帰るのが定石やで！」


侑はデートスポット調べるためにスマホずっとみとったんや。


『ありがと。紫可愛い〜』


確か…スミレの花言葉は"誠実" "謙虚" "小さな幸せ"やっけ？色別にもあるらしいけど。


『幸せやわ〜』

侑「フッフ」




紫色のスミレの花言葉
──ささやかな幸せ 誠実 『真実の愛』──




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