黄色さんが弱ってしまいました。⑵

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「おつかれさまでーす。

これ良かったら皆さんで飲んでください」



移動途中に購入した紙袋を一人の衣装スタッフに手渡すと、口々に感謝の声が自分に降りかかった。






21時過ぎにドラマ撮影を終えると、
今度は衣装打ち合わせに取り掛かる。










『チュール探したんですけど

あまり光沢感のあるものが無くて…』


「テープありますか？」



手元にある複数の生地を見て悩みながら
柄や色味が合うものを探していく。












椅子に座って夢中になっていると
気のせいかもしれないけど気持ち悪い。



アイスコーヒーを飲もうとしてタンブラーを
掴む手がガタガタと震えて驚いた。








トイレに行こうとして立ち上がると今度は足に力が入らなくて内蔵がふわっと浮く感覚に見舞われる。







「…っ、ぅ…、」



落ち着かないとと焦りながら
机に両手を置いて俯いた。













『…増田さん、どうかされました？』

『体調悪い？ちょっと横になる？』



数人のスタッフが手を止めてこちらを見ていることに気づき、ハッとして背筋を伸ばした。








「いえ、大丈夫です。ちょっとお手洗いに…」



そう言って真っ直ぐ歩けない足に
戸惑いながら部屋を後にした。


















『先ほど小山さんから差入れ頂いたので

召し上がってください』



トイレから戻るとマネージャーが
後ろの机を指さしてそう話した。







「小山？もう来てたんだ。

打合せするとか言ってた？」


『加藤さんもお見かけしたので

始めてるかもしれないです。』





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