61話 レイside ページ16
ノ「レイはどうしてママの牧羊犬を
やっているの？」
真っ直ぐな目で
俺に聞いてくるノーマン
そりゃそうだよな…
鬼の手先になるなんて
普通の奴の考えじゃねぇよ
でも俺は…
「志願した、自分から」
ノ「！」
「いや“売り込んだ”の方がより
正しいかな」
ノ「どうして…」
ククク…そんなの決まってる
「脱獄の準備さ
すべて今この脱獄の為の準備」
あの時からずっと
練ってきた脱獄の準備…
「敵を知るにも物を集めるにも
敵の懐が一番合理
だから俺は敵に自分を売ったんだ」
ママにバレたあの時…
《どうする？殺す？》
勝算はあった
《出荷順は予想はついてる
スコアでしょ？》
俺はママが手間暇かけて
育てた金の卵
それを途中で刈り取る事は
ママも出来る事なら避けたいはず
そう思った俺は…
《取り引きしたい》
と持ちかけてみた
案の定ママは乗ってきた
「あの女は規則より利益だ」
ノ「…」
「要求したのはザックリ2つ
�ゞ�力するから即出荷しないで
��結果を出したら報酬をくれ」
ノ「…報酬って…？」
「色々ガラクタさ
ハウスに無いものなら取り寄せて
貰える」
ノ「！…何が手に入って何が
不可能なのか」
「あぁ…試してみた
外の世界を探る意味でも」
結果は危険物でなきゃ
大抵の品は手に入れる事は出来た
ただし…どれも旧型ばかり
ノ「じゃあ…発信器の壊し方に
当てがあるというのも…」
「俺は現物を見てる」
ノ「！！」
「実験もした、壊した方も突き止めた」
何年も…何年も…
徹夜で研究を重ねた成果の賜物だ
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作者名：アスカ | 作成日時：2019年5月12日 21時
