One’s TIME’s World 【JW】 (ページ16)

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日は沈み、月が昇るページ16

月影side

影『ひっぅわっ…………！？』

．

会議室のドアの前、何かが廊下に落ちたような大きな物音が部屋に響く

Aちゃんにもうすぐ会える、どう挨拶したらいいかな

出来るだけ好印象もたれたい、その前に仕事を掴んでこなきゃいけない

揉め事はあってほしくない、でも女神様だから大丈夫か

Aちゃん相手に失礼な態度は厳禁
何をどう聞くか、あまり時間を取らせないよう平和に、穏便に素早く済ませよう

ただでさえあんなに忙しいんだ早く休ませてあげなければ

番組の最後に流れるエンドロールの高速版のようだ

緊張と高揚感に溺れてしまいそうで
頭なんて働いたもんじゃなかったから

ただでさえビビりな私の心臓は
いつもとは比べ物にならないほど、その時どくり、と大きく跳ね上がった

．

誰かがパソコンでも落としたのだろうか
私もよくノートパソコンを落とすが、それに似ていた

．

が、そこで感じる違和感

その後何も物音がしないのだ

誰かが何かを落としたものだと思っていたのにその後この場を去る足音が、一向に聞こえない

．

．

ぇ、……………だれ、？

背中がぶるり、と震え心臓がまたどきりと跳ねる

．

急いで会議室内の窓のロックを確認して、カーテンを勢いよく閉める

．

まさか不審者………そんなの洒落にならない

．

Aちゃんとお会いするはずがまさか突然侵入してきた男に
襲われましたなんて、そんなの最悪だ、いや地獄だ

そもそもこのフロアに今人がいること自体おかしいんだ

今日使用されるのはこの部屋だけだから
終わったらフロアの電気を消してくれって私は言われたのだから

Aちゃんが来るまであと10分はあるはず

それに早く到着したのであれば普通にここに入ってくればいいのだ

．

あのお偉いさんの言ったことは嘘で本当は私に何かするためだったのか
もしかして、…………陰では私を殺したかった、とか

いやいやそんな物騒なことは、……………無いと思いたい

私あの人とは初対面のはず、……なんてどうでもいい