One’s TIME’s World 【JW】 (ページ12)

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月陽side

私は作文を書き始める時、きまって鉛筆が震える

綺麗な字体で書き出したい
いいものを書きたい

小さな願望が鉛筆の先と原稿用紙の隙間に生まれるからだ

そして、これは皆共通だが文の書き始めはきまっていつもマス一つ分を空けた

それに私はいつも安堵感を覚えていた記憶がある

書き進めれば書き進めるほど
手は黒くなり、鉛筆を握ることによる痛みが伴う

一度書くのをやめたって、その痛みが汚れが消えることはない

埋まってゆくマス目は真っ黒で、早く早くと次の文字を_____いつしか結末を急かし始める
窮屈だからだ、急かされる度に息が詰まるようで苦しいからだ

そうして急かされた結末は決して美の要素を含むはずがないのに
一通り書き終わって一息ついてからずらりと並べられた文字を改めて見ると

何故か外面的な美しさを感じてしまい、達成感が生まれるのだ

．

私はそれが嫌いだった

．

だからその唯一空けられる一マスを大切にした

苦しみの伴う過程はこの際不恰好でも仕方がない

そこに目を瞑る分、結末を美しく書きたかったからだ

書き始める前に与えられる空白の一マス

深呼吸をして、心を落ち着かせて
私の願う、美しい結末を迎えられるように用意された時間と場所は

もうすぐ終わりを告げる

制限時間が迫ってきたからではない
急かされたから、でもない

最初で最後の

最終章のプロローグを書き始める準備が出来たからだ

．

陽『…もしもし、折り返しのお電話させていただきますジャニーズWESTの月陽です
．お話伺ったのですが、もしお時間があればお話を直接お聞きしたいなと考えておりまして

．勝手なこととは承知ですが、宜しければ近日カメラをお持ち頂いてお会いできませんか』

．

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ここまでお読みいただきありがとうございます

次回かその次あたりかに少し事態が変化するかと思います(多分)

また、増田くんは今後も兄役として登場予定です

宜しければご評価宜しくお願い致します

てと。