Rainstick【JW】 (ページ12)

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桃side

赤「ぉ、おはよぉ小瀧、」

桃「おん、…ぉはよ、………何？」

赤「あんさぁ、……ここ、分かる？」

珍しく朝にふさわしいトーンで
声掛けてきたかと思えばそういうことか

桃「…ほんま、そういうとこ真面目よな、」

赤「神ちゃんに聞いても分からんかってん」

緑「あぁそれ俺も分からんのよ、
　のんちゃん分かる？」

しげが指さしてんのは昨日打ち勝ったばかりの
数学の難問

桃「あぁ、……これは、
　この直線とこの直線が直角に交わってるから……」

昨日、Aが目の前で教えてくれたように
指先を図と式の上に滑らせてゆく

桃「…って感じやな、どう？大丈夫？」

赤「ぉん、めっちゃ分かったわ…！！」

桃「俺も昨日教えてもらってん」

赤「凄いなぁ、Aちゃん頭良いもんなぁ」

緑「…でも心配やね、皆から頼られるやん
　それでそんな浮かない顔してんのやろ、
　のんちゃん」

桃「……おん、」

皆から頼られて、頭良いって言われ慣れたら
自分はそうい続けなきゃって

やる気になるならええけど、Aは違う

それがプレッシャーになって
自分のことを余計に追い詰めてまう

ただでさえ自分に厳しくて、ストイックやから

そのせいで、テストがある度に苦しんで
それでまた追い詰めて、って繰り返し

それに自己肯定感が低くて、
周りへの優しさだけ覚えたから余計に

周りの期待も頼みも応えたいし、断れない
…何より、自分への優しさを全く知らないから

緑「…ぁ、今日から持久走や、B走っとる」

赤「流星速いねんなぁ、」

……心配やなぁ、