18話 魔法の手（1） ページ18
ぐったりと眠る雅紀の汗を拭く。
「すごい汗だね、少し脱水も起こしているのかな？」
やっとのことでうっすらと目を開けた。
二人はまだ気がついていない。
「体温計が必要だね」
「持ってきたよ。ほい、タオル」
潤の持ってきた氷の入った洗面器にタオルを浸す。ついでにと体温計も受け取る。
「何か飲むものも…」
「ポカリも持ってきた」
「さすが松潤」
関心をする智。
「医者呼ぶ？」
翔の言葉に雅紀は弱弱しく手を上げる。
医者を呼ばれたら折角の旅が終わりになってしまう。
「…大丈……夫です」
「アレ、起きてた」
額に手を当てた智は少し考えると体温計を雅紀の脇に挟んだ。
「熱計ってみて考えよ？」
しばらくして体温計から音がなった。
37.4分。そう高くはない。
「寝ていたら治りそうだね」
ひとまずは安心顔の智、そして雅紀。
「水分摂ろうか？」
翔は雅紀の体を支えて飲ませた。
ノドを鳴らして飲む姿に
「もしかして腹減ってる？」
「……いえ…そんなに」
問う潤。
「いつメシ食った？」
呼び起こす記憶。
「昨日の朝飯…」
朝食が最後に食べた食事。
その後タクシーで駅に向かって列車に乗り込んで大興奮で食欲がなく、列車を乗り継いで降りた場所は食堂や商店、民家さえなかった。
「何か作ってくるから待っていろ」
部屋を出て行く潤。
「大丈夫です、動けるようになったら…行きますから」
「こらこら、しばらく安静にしてないと熱が上がるよ？」
「けど…」
なんとか説得しようとする翔。
智はそっと雅紀の両目を覆うように手を置いた。
すぐに寝息が聞こえてくる。
「どんな魔法なんだよ、それ」
「ふふふ」
得意げな智であった。
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むつき(プロフ) - あかねこ(o･-･)さん» 初めまして。むつきと申します。楽しんで頂けて感涙です。ありがとうございます。 (2015年1月21日 19時) (
レス) id: 4345b608cc (このIDを非表示/違反報告)
あかねこ(o･-･)(プロフ) - 初めて読ませもらいます。ままだ途中までしか読んでませんが、すごく面白いですね！ (2015年1月21日 14時) (レス) id: 4f1c1844f4 (このIDを非表示/違反報告)
むつき(プロフ) - kaki-pさん» はじめまして。読んでいただきて光栄です！ (2013年1月6日 9時) (レス) id: 7eb0f41743 (このIDを非表示/違反報告)
kaki-p(プロフ) - はじめまして♪HOMEまで一気に読ませて頂きました。面白かったです♪ (2013年1月6日 2時) (レス) id: 0ab9f966ea (このIDを非表示/違反報告)
むつき(プロフ) - ななっちさん» 20分の格闘の末、出来ました。ありがとう。 (2012年8月2日 21時) (レス) id: 983cbf001b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：むつき
| 作成日時：2012年7月21日 21時
