黄金の世界 (ページ5)

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4話ページ5

シゲside

使者が来たのは突然だった。
殆ど話したこともないのに、王からの呼び出し。

それはそれは勿体無い、身に余る光栄なのはわかる…が、できればやめてほしい。

「何も、話すことないんだけどな…」

何を聞きたいのか。どんな会話を望んでいるのか。
見当もつかない。

(シゲアキさま、どうぞこちらへ…)

そういわれて案内されたのは謁見の間よりもずっと奥。王族とはいえなかなか入ることを許可されることのない王のプライベート空間。

些か緊張してきた…。

いくつもの扉を開けて、とんでもなく大きくキラキラに飾り立てられた黄金の扉を開けると、ここまで案内してれた人達がさっと姿を消した。

変わりに目の前に現れたのは王の側近中の側近、ケイイチロウだった。

「よ！きたねー！」

流石に王の御前に立つのだ。それなりのカッチリとした佇まいなのに軽い口調。
ギャップにクラクラする。

「お前、ここでもそんな感じなの？」

思わず小声で聞いた。

「そうよー？ユウヤと俺はね！マブダチだよ！」

「ユ、ユウヤって…！！」

あまりの軽さに目が飛び出るかと思った。
無礼な態度をどうにかしなければ、と焦ったところでケイイチロウの後ろからこれまた呑気な声がした。

「けーちゃぁん、まだぁ？」

「あ、ちょっと待ってね！…シゲちゃん！入って入って！！」

あぁ、頭痛がする…。