抱き枕過剰摂取 3【国見英】

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「A先輩、抱きしめてもいいですか」


数秒開けて、国見君が少し体を私に近づけてくる。


「うん、いいよ」


と私が手を広げた瞬間







強く国見君に抱きしめられた。






その瞬間、少し泣きそうになった。


私がずっと求めていたものだった。


国見君のこの匂いや感触


少し肌にかかる息








全部、私が求めていたものだった。








「A先輩に近づけなかったんで辛かったです」


「私も国見君に冷たくされて悲しかった」


私はわざと少し不満げに訴える


私が困ったのと同じように、国見君も少し困ればいい。








「本当すみません」


「もう勝手に勘違いするのやめてよね」


「わかりました」


とここで身体を離される。


ふっと軽くなる身体







「、、、キスしたいって言ったら怒ります？」


「怒らないって知ってるくせに」


「知ってます」


と子供みたいに笑った国見君。


その後唇が触れるだけのキスをした。







唇を離した後、沈黙が流れる。


「な、、、何か言ってよ」


沈黙に耐えられなかった私は、国見君に突っ込む。


「先輩、俺幸せ過ぎて死んじゃうかもしれないです」


「助けて」と言うと私にもたれかかってくる国見君。


「死んじゃったら悲しいからやめて」


といい、私は国見君の背中に手をまわした。








「先輩、少し痩せました？」


私の身体をさすると、抱き着いたまま不安そうにそう聞いてくる国見君。


そう言えば最近、まともにご飯食べてないかもしれない、、、


「体重は測ってないけど、痩せた、、かも」


「もっとちゃんとご飯食べてください」


といいながら腕に力を入れた国見君。


「わかった、ちゃんと食べるね」


「お願いします。」







あ、そういえば


「国見君さ、眠れてるって言ってたけど、あれ嘘でしょ」


とずっと気になっていたことを国見君に聞いてみた。


「はい、眠れてないです。」


「やっぱり」


案の定、国見君は眠れていないようだ。


「先輩のカーディガンの匂い嗅いだらダメな気がして、合宿の後からカーディガンも使ってないです」


「国見君、顔色ずっと悪かったもん」


心配になるほど、最近の国見君の顔色は悪かった。

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