ニフラーは波乱と共に ページ24
××
ニュートはそのウィンドーに呪文を飛ばし、ウィンドーをねばねばしたゼリー状のものへと変える。ニフラーはようやく身動きが取れなくなった。ニュートは安堵の溜め息を吐く。そして胸の中に収まっているグレースに目を向けた。
「グレース、大丈夫？怪我はない？」
「え、えぇ……お陰様で……」
グレースは顔を赤らめながら、ニュートの腕の中から離れた。これ以上は心臓が持ちそうにもなかった。ドクンドクンと騒いでる胸を押さえながら、グレースはニュートと共に、ニフラーの元へ駆け寄る。
「どうだ、満足か？」
その声は叱る気配はなく、聞いていたジェイコブを呆れさせた。宝石だらけになったニュートはニフラーをウィンドーから引っ張り出して、ニュートは「可愛いやつめ」と言いたげに苦笑するだけ！元凶なのに！ジェイコブはグレースならば、と怒り心頭であろう彼女に目を向けた。
「もう。次からは気をつけるのよ」
(ああ……似たもの夫婦だ……)
ニュートはニフラーに頬擦りしながら、グレースは人差し指でニフラーを撫でている。ふたりとも全く怒らない。完全に甘やかし教育である。ジェイコブはなんとも微妙な心境でその様子を見守りながら、落ち着かない様子で周囲をキョロキョロする。
「……おいおい二人ともヤバいぞ！」
慌ただしいパトカーのサイレンが聞こえ、ジェイコブは泣きそうになりながら「どうするんだよぉ！」と言った。
「俺達完全に宝石強盗団だぜ！？」
「手を上げろ！」
パトカーが止まり、何人もの警官が走り出てきた。ジェイコブは諦めて両手を挙げる。チラリとグレースとニュートを見るが、二人ともニフラーをニュートのコートに押し込もうとしているのに必死で取り囲む警官には目もくれていなかった。
「おい……あれはなんだ？」
警官達の視線が左方向に移る。
その視線の先を辿ったジェイコブはあまりの恐怖に言葉を失った。
「ラ、ライオン……」
警官たちはいっせいに銃を通りの反対側に向ける。ようやくニフラーを押し込むことに成功したニュートとグレースはようやく事態に気づいたのか、顔を見合わせた。ライオンが一頭、ゆっくりとこちらに向かってくるのが見える。
「ふーむ。ニューヨークって、思ってたよりもずっと面白いところだね！」
警官が振り返る前にニュートはジェイコブを掴むと、姿くらましをする。二人が消えるのと同時にグレースも姿くらましをした。
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ゆずこたつ(プロフ) - いや、もうなんていい作品…泣きすぎて目が腫れました…これからも頑張ってください‼︎ (2022年4月18日 15時) (
レス) @page46 id: f9853265aa (このIDを非表示/違反報告)
柊あんず(プロフ) - リーフィーシードラゴンさん» コメントありがとうございます！わ〜〜嬉しいです…！長い間更新停止していて申し訳ない…想い人のためならなんだってするのがグレースなのでね…！体調のお気遣いまで…有難いです…！更新頑張りますね！！ (2020年11月9日 0時) (レス) id: 30d83766f8 (このIDを非表示/違反報告)
リーフィーシードラゴン(プロフ) - はじめまして！久しぶりに開いたら更新されていて読ませて頂きました！グレースがいい子すぎて泣けるしどうか幸せになって欲しい、ぐぬぬ……。体調に気をつけながらも今後の更新頑張って下さい！ (2020年11月8日 13時) (レス) id: 8a9bd162c1 (このIDを非表示/違反報告)
柊あんず(プロフ) - 浅葱さん» コメントありがとうございます！！ニュートとの進展…第二部ではニュート側の感情なども書いていきますのでぜひお楽しみに…！今月か来月かには第二部にいけると思いますので引き続きよろしくお願いいたします！！ (2020年10月7日 2時) (レス) id: 30d83766f8 (このIDを非表示/違反報告)
浅葱(プロフ) - あっという間に読み進めていきました！とても面白いです、ニュートと主人公の関係は進展するのかとハラハラしてます。更新頑張って下さい！応援してます！ (2020年10月4日 21時) (レス) id: 72c04e1480 (このIDを非表示/違反報告)
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