ニフラーは波乱と共に ページ23
××
グレースはコートを羽織り、夜のセントラルパークを走っていた。ニュートとジェイコブの姿を探していると、少し先にある宝石店のショーウィンドーが思いきり割れた音がした。嫌な予感を感じつつ、急いで音が聞こえた方向へ向かう。
グレースの予感は的中した。
宝石店にいたのはニュートとジェイコブだった。ニュートは店の中に入り、ニフラーを捕獲しようとしている。ジェイコブはただ絶句して立ち尽くしていた。後ろに立っているグレースに気づいたのか、なんとかしてくれ！と助けを求める目で見つめる。もはやため息しか出てこなかった。
「ニュート……」
「あ、グレース！ちょうど良かった。助けてくれ」
「あなたって人はねぇ……」
グレースはわなわなと肩を震わせる。
相当怒っていることが分かったのか、ニュートは顔をひきつらせた。グレースは怒ると怖い。ニュートが謝れば割とすぐに機嫌を直してくれるが、それでも彼女の怒った顔は見たくなかった。そうしている間にもニフラーはクリスタルのシャンデリアに乗って揺れている。
「あっ、ニフラー！」
「ちょっとニュート！？」
ニュートは手を伸ばして捕まえようとするが、つまずいてニフラーもろともシャンデリアにぶら下がる形になってしまう。魔法がかけられているわけでもないシャンデリアが、成人男性ひとりと魔法動物一匹の体重を支えることが出来るわけもなくシャンデリアは床に落ちて砕け散った。
「グレース！捕まれ！」
ニュートは瞬時に飛び降りるとシャンデリアの破片がグレースに当たらないようにと彼女を胸に抱き寄せた。
「ちょ、ちょっと……！」
「グレースが怪我でもしたら困るからね！苦しいかもしれないけど我慢してて！」
顔を真っ赤に染め戸惑うグレースを抱き寄せたまま、ニュートは杖を取り出し逃亡を続けるニフラーに向けた。
「アクシオ！」
刹那、ニフラーは後ろ向きでゆっくりとニュートとグレースの方へ飛んで行った。飛びながらニフラーは横を見て、これまでにない最高に豪華なショーウィンドーを視界に入れた。ニフラーの目がきらきらと輝く。
ニフラーは片腕を伸ばして街灯を掴み、くるりと回って方向転換をした。ニュートが呼び寄せた方向から逸れて、その豪華なショーウィンドーに向かって飛び降りる。ニフラーの宝石への執着はすさまじい。
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ゆずこたつ(プロフ) - いや、もうなんていい作品…泣きすぎて目が腫れました…これからも頑張ってください‼︎ (2022年4月18日 15時) (
レス) @page46 id: f9853265aa (このIDを非表示/違反報告)
柊あんず(プロフ) - リーフィーシードラゴンさん» コメントありがとうございます！わ〜〜嬉しいです…！長い間更新停止していて申し訳ない…想い人のためならなんだってするのがグレースなのでね…！体調のお気遣いまで…有難いです…！更新頑張りますね！！ (2020年11月9日 0時) (レス) id: 30d83766f8 (このIDを非表示/違反報告)
リーフィーシードラゴン(プロフ) - はじめまして！久しぶりに開いたら更新されていて読ませて頂きました！グレースがいい子すぎて泣けるしどうか幸せになって欲しい、ぐぬぬ……。体調に気をつけながらも今後の更新頑張って下さい！ (2020年11月8日 13時) (レス) id: 8a9bd162c1 (このIDを非表示/違反報告)
柊あんず(プロフ) - 浅葱さん» コメントありがとうございます！！ニュートとの進展…第二部ではニュート側の感情なども書いていきますのでぜひお楽しみに…！今月か来月かには第二部にいけると思いますので引き続きよろしくお願いいたします！！ (2020年10月7日 2時) (レス) id: 30d83766f8 (このIDを非表示/違反報告)
浅葱(プロフ) - あっという間に読み進めていきました！とても面白いです、ニュートと主人公の関係は進展するのかとハラハラしてます。更新頑張って下さい！応援してます！ (2020年10月4日 21時) (レス) id: 72c04e1480 (このIDを非表示/違反報告)
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