リンタロウ/パーカー ページ3
周囲に誰も居ないのを確かめる。
そこに置き忘れてあったリンくんの物であろうパーカー。
……着て、みようかな。
『……んっしょ。』
うわ、ダボダボだぁ……。そりゃそっか。リンくんですらブカブカなんだもん。
私が着たら大っきいなんてもんじゃないな。
着てみると、案外あったかくて、脱ぎたくなくなってきた。
もうちょっと、このままでいようかな…。
「何してるの〜Aちゃん♪」
『っっ?!?!』
びっくりしすぎて声も出なかった。
よりにもよって、本人が来るとは思っていなかった……。
慌てて言い訳を考えても、そんなもの思いつかない。
『…ごめん。置いてたから、つい。』
結局、観念して、正直に話した。
リンくんは、そっかぁ〜♪とニコニコ笑って、爆弾発言を私へおとす。
「ねぇ、もしかして…今着てるの、パーカーだけ…?」
『っな、なな…そんなわけないでしょ!』
「だって、ショートパンツなんか履いてるから…。無防備過ぎだよ…?」
…なんか、リンくんじゃないみたいだ。
ふわふわとしてるなんて微塵も感じさせない口調。
いつもより真剣な瞳。
まっすぐ見つめられて、心臓がバクバクと音を立てる。
『…ぁ、りん…くん……?』
「なぁに、A」
『っ』
顔が熱い。自分が真っ赤になってることが嫌でもわかる。
口は動くけど、声が出ない。唇からは吐息のみが漏れる。
「ふふっ、かーわいっ」
ふにっ、と額に何かが触れた気がした。
目の前には、リンくんの顔。
その笑顔は、さっきよりも凛々しくて…。
目の前にいる彼の、“男”の部分を垣間見た気がした。
−−
(おまけ)リンタロウside
キョロキョロと辺りを見回すA。
たまたま通りかかったら、Aが挙動不審な行動をしていたので、ちょっと覗いてみようと思った。
『……んっしょ。』
Aが、僕のパーカーを着だした。ブカブカのパーカーは、ショートパンツを履いてるからか、Aが何も履いていないかのように見えた。
しばらくして脱ぐかと思ったが、Aはまだ着たいらしい。
面白くなって、声をかけてみた。
「何してるの〜Aちゃん♪」
『っっ?!?!』
あ、びっくりしてるびっくりしてる。
何を言おうか迷ってるのか、すごくあたふたしてる。可愛い。
『…ごめん。置いてたから、つい。』
潔く言うことにしたらしい。
「そっかぁ〜♪」
悪戯、しちゃおっかな…?この後、Aが真っ赤になっちゃって、こっちまで照れてしまったのは秘密だ。
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てと(プロフ) - 鈴錬さん» ありがとうございます〜!了解しました! (2018年6月6日 18時) (レス) id: a3d476f9ef (このIDを非表示/違反報告)
鈴錬 - 小説の方読んでます!リクで、ユキナリのパーカー着てみたっていうのお願いします! (2018年6月6日 18時) (レス) id: 28c60ad67a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:てと | 作成日時:2018年6月2日 19時