『目の前のリアル』 ページ6
「いや〜ほんっとAちゃん面白すぎ!俺ここ最近で一番笑ったわ〜」
『あ、はは、有難う…ございます…?』
なんやかんやで部屋に入れてもらってしまい事の経緯を話したが彼はまぁこの調子でずっと笑っている。原因はわたしだけども。
というより私はいまほんとはまた別の意味でも海外に逃亡したい。
なぜならこのずっと笑ってる「彼」、わたしは知っているからである。知ってるいるというよりファンだったりしてしまう。
「あ、俺のことはきっくんって呼んで〜!お兄ちゃんでもいいけど〜」
『いえ、遠慮しますきっくん。』
そう。きっくん。うん。
あー渡米したいなぁ。
女性じゃなかったうえにあのいつも見ている動画の人が目の前にいらっしゃりやがって、わたしは完全に思考停止ロボットだった。
「んで、なんだっけ?ギター教えてほしいんだっけ?俺が上手いから。まぁ俺上手いけど。」
この人いつもこんな感じなのかなぁ。これ許されるのイケメンだからだよね。
『まぁ、はい…あっでもお忙しいとか面倒臭いとかだったらぜんっぜん断ってもらって大丈夫ですからね!全然!』
「え?別にいいよ。人に教えるっていうのもなかなかないし、こんな可愛い女の子が頼んでるんだもんね、断れないよな〜」
えーと、断ってほしい。きっくんにギター教わるとか私の頭がついていかない。
「よし!じゃあ明日からさっそくやろうね!ライブまでには俺がAちゃんを立派なギタリストにしてやるぜ!」
『ああ…お願いします……。』
ライブ……皆のためだ……渡米だの逃亡だの言ってる余裕はない。
頑張るしかない。
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電話帳II(プロフ) - こんにちは!はじめまして。作者さんのギャグセンスが良すぎて定期的に読みたくなります...(笑)更新待ってます! (2018年6月9日 0時) (レス) id: 4894d22b80 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柚木ましろ | 作成日時:2016年12月9日 23時