【カオス】ラブシュトーリーは突然に。 (ページ5)

今日:6 hit、昨日:2 hit、合計:11,923 hit

『海外逃亡』ページ5

　
　
　
『ファイオー！』

こうして私はいま覚悟を決め全く縁がない他人様に押しかけようとしている途中である。

『いやでもさ、わたしだったらいきなりね、教えてくれって言われたら、なんだこいつ？ってなるよ。なるのが普通だよね！』

と言いつつもギターを背負い部屋の前まできてしまっている。

『そうだ！シミュレーションしてみよう！』

そういうのはここに来る前にするのではという誰からでもないツッコミはさておき何事もシミュレーション大事よね。

『ごほんっ…え、えーこ、こんにちわ！あの初めまして…同じ階のものでしゅあっ噛んじゃった。あ、あの前に部屋の前通った時に聞こえて…ギターお上手ですよね！わたしもその一応やってるんですが下手で…それであの…教えてくれたり…おお教えてください！』

よ、よし！完璧だ！これはいける！いけるぞ！

「いいよ。」

そう！この調子でいったらきっとOK貰えるはずだ！

『ってえええええ！？！？』

後から声がして振り向くとそこには初めましてだけど初めましてじゃない、知らないけど知ってるひとがいた。

「さっきから俺の部屋の前でなにしてんだろうなーって思ってたけどそういうこと。ていうか同じ階のひとだよね？」

『ひゃい！あっはい！ええ、えといつからいました…？いつから聞いてました？場合によっては海外に逃亡したいんですけど。』

「いつからってファイオー！あたりから？」

そういう彼は握った手を高く挙げながらプラス笑いを堪えながらあのときの私の真似をした。

『最初っからじゃないですか！！！うわああああしにたい！！！しにたいよおおお！！』

恥ずかしさのあまり廊下から身を投げ出そうと思ったが

「まてまてまて！！！ここ6階だから！！！奇跡的にも大怪我だから！！！」

まぁ止められた。確かに6階はしぬ。

　