【カオス】ラブシュトーリーは突然に。 (ページ29)

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『芋けんぴ』ページ29

　

『お待たせしました！じゃあ行きましょうか。』

待たせるのは悪いと思って焦って出てきたから若干転びそうになったけどおけおけ。

「あ、Aちゃん、ちょっと」

『へっ？』

「ほら、髪の毛。」

そういってFBさんはボサボサだった私の髪の毛をぱっぱと触って直してくれた。

「はい、元通り！」

ニコって…ニコってああ、やばい…これ天然でやってらっしゃるのですよね…これで落ちない女性なんているのかな…。

ほんとは駅に用なんてないくせに夜は危ないからとかいって送ってくれるとことか本当に優しい人なんだなと思った。

『…FBさんが本気になったらその気になる子も絶対振り向いてくれますよ…。』

「えっ？」

『あっ、いや、そのFBさんってほんとに優しいしかっこいいし…っていやほんと…』

うわああ何言ってしまってんだ私！こんなん引かれますやん！いきなり何言ってんだこの女調子乗ってんのかってなりますやん！

『…ってあれ？FBさん？』

「………っあの、ありがとう…ございます。」

ちらっと横をみると耳まで真っ赤になってるFBさんがいて、

『～っ！』

私まで真っ赤になってしまうじゃん。

『あっ、つ、着きました駅！わざわざありがとうございました！じゃっまた！』

そうやって改札に逃げ込むしかなかった。

けどそろっと後ろを振り向くとまだFBさんはいて、

『………っ』

そっと手を振ってくれた。

『…ほんと羨ましいな、FBさんに想われてる女の子…。』

始まった瞬間に終わっていた私の恋。

想いが伝わればいいなと手を振りかえした。

　

　