10.Anxiety。 ページ10
「イーストン校でお会いするのは初めてですね、アシェル。」
「カルド様。お久しぶりです。」
会場から少し離れ、人気のない場所にカルド様は俺を呼び出した。
「それで、呼び出された理由をお伺いしてもよろしいでしょうか？」
「仕事を任せたい訳じゃないんだ。ただ、聞きたいことがあってね。完全に二人きりになって話を伺う機会がなかなか無かったから、神覚者候補選抜試験はちょうどいい時間だと思ってね。」
マッシュ君の件で忙しくて尋ねる時間が無かったと言う。俺はマッシュ君の件に関してはあまり知らないが、最近噂になっているマッシュ君が魔法不全者では無いかということで魔法局自体がバタついていたのだろう。
「正直に答えてください。
心臓が跳ねる。
アビス先輩といい、カルド様といい。
何故。一体。どこから。
誰にも漏らしたことは無かった。
フィンに、フィンに危害が及ぶ様な気がして、ゾッとした。
俺のせいで、俺のせいだ。
「繋がりは、ありません。」
カルド様は言葉を発さず、続きを促そうように俺を見つめる。
息を呑む。
言っても、いいのだろうか。
恐怖心で覆われ、手が震える。
「……一度、勧誘を受けました。断りましたが。それ以上は言えません。」
「何故それを言わなかった？」
「弟に、フィンに、危害が及ぶ可能性が限りなく高かったからです。」
フィンに何かあれば、どうしたらいい。
俺は、俺は。
レインとは違う。弱い。守ると言っても限界がある。
自分が招いた危険にフィンを巻き込む訳にはいかなかったはずだ。
「話してくれてありがとう。すまなかった。背負わせてしまっていたね。」
「……いえ。」
「こちらもしばらく気にかけよう。何かあればすぐに連絡するんだ。」
「ありがとう、ございます。」
ポン、と頭に手が乗せられる。
撫でられるわけでもなく、ただ置かれたその手に、何故か安心した。
「この事をレインは………知らなさそうだね。」
「あの人はそもそも俺たちに興味がありませんから。」
「そうなのかい…？」
ふむ、と考え込んだカルドは話を切り替えるように俺に背中を向けた。
「私は業務に戻ります。そうですね、後ほど控え室まで呼びに来てくださいませんか？」
「かしこまりました。」
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ほり。(プロフ) - 作者様天才すぎませんか？！とっても面白いしストーリーは涙なしではとても見られません！！これからも頑張ってください！応援してます！！ (3月31日 22時) (
レス) @page37 id: a556898cd7 (このIDを非表示/違反報告)
ありさん(プロフ) - めっちゃ面白い！！！ほんとにあなた様天才ですよこんな面白い物語書けるなんて！！！いつも楽しみにしてます！！！頑張ってください！！！！！ (3月30日 6時) (レス) @page23 id: d57e220c95 (このIDを非表示/違反報告)
ソラサン(プロフ) - スッゴい面白いんで頑張ってください!!!!こういうドロドロ系？大好きなんで！ (3月28日 23時) (レス) @page22 id: 8b4b86c7c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小坂谷 真夜 | 作成日時：2024年3月18日 22時
