8.Intention ページ8
あれから数日が経ち、落ち着いた日々が続いていた。
フィンも友達と仲良くやれているみたいだし、変わらずレインは見かけはするもののお互いに干渉をすることは一切なかった。
そして今日、久々に悪い夢を見た上に、俺は朝から頭を抱えていた。
「神覚者候補選抜試験に出場する…?」
自室である603号室にフィンがやってきて、何を言い出すのかと思えば神覚者候補選抜試験に出るというのだ。
同室の奴は既に朝食を取りに行っており、ここにいるのが自分だけでよかったと心の底から思う。
「ダメだ……と言いたいところだけれど、フィンが出たいなら出ればいいよ。」
「え?本当に…?」
「どうしても出たいんだろ?」
大きくなったなと思う。それがたとえ友達の為だろうが、自分の為だろうが、自分の意思を持てることは大切だと思っているし、フィンの成長を見守るのも、兄としては大切だと思った。
本当は、そんな危険な試験に出て欲しくないが。
「いいか、絶対に無茶だけはするな。」
「う、うん。」
「そこ、後ろにいるマッシュ君たちもですよ。」
「ウス。」
喜びを分かち合う弟達を横目に、もしかしたらまだレインのことを気にして神覚者候補選抜試験に出るのではないかという気持ちもあった。
フィンは俺とは違う。
レインのことも気にかけてやっている。
優しい子なのだ。
いくら避けられようと、傷付けられようと、フィンの中では俺同様に、レインも血を分け合った兄であり、大切の部類からは絶対に外れない。
いとも簡単にレインを兄という分類から外してしまった自分がなんなのか分からなくなる。
フィンのため。
本当にそうだろうか?
「アシェル兄さま、それじゃあまた!」
「あぁ、また。」
フィンたちが立ち去った後、再びベットへと腰掛ける。
「どこで間違えたんだろうな。」
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ほり。(プロフ) - 作者様天才すぎませんか?!とっても面白いしストーリーは涙なしではとても見られません!!これからも頑張ってください!応援してます!! (3月31日 22時) (レス) @page37 id: a556898cd7 (このIDを非表示/違反報告)
ありさん(プロフ) - めっちゃ面白い!!!ほんとにあなた様天才ですよこんな面白い物語書けるなんて!!!いつも楽しみにしてます!!!頑張ってください!!!!! (3月30日 6時) (レス) @page23 id: d57e220c95 (このIDを非表示/違反報告)
ソラサン(プロフ) - スッゴい面白いんで頑張ってください!!!!こういうドロドロ系?大好きなんで! (3月28日 23時) (レス) @page22 id: 8b4b86c7c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:小坂谷 真夜 | 作成日時:2024年3月18日 22時