6.Sympathy ページ6
「ワース。」
「アシェル…？」
「無理して起きなくて結構です。」
医務室の一角。保護魔法の掛けられたカーテンに囲まれたそこにワースは点滴を打たれながら横たわっていた。
「魔力濃縮液を使ったと先ほどお伺いしました。それがどれだけ危険なものか分かっているんですか？」
「べつに、しょうがないだろ。」
しょうがないと、そう告げるワースは乾いた笑いを見せた。
他人の魔力の濃縮液を使ったんだ。当たり前に体は異常をきたす。賢いワースならそんなこと予想がつかない訳じゃないだろう。
つまり、そうしてでも、勝つ必要性があった。
「そんな物に頼らなくたって、貴方は十分…」
「薬を使っても負けた。事実だ。」
「はぁ、ナンセンスですね。」
ランス君に負けたと聞いていたが、自分が思っていたよりは吹っ切れていた。しかし、それでもまだワースの中では引きずるものがあるのだろう。
「結果より、その過程の方が重要だと俺は思いますけど。」
ワースがきょとんとした表情を見せる。
なんだよその意外とでも言いたげな顔は。
「過程、ね。」
無理に起き上がったワースの手が伸びてきて、俺の手に重なる。
心配になるほどに冷たい、手だった。
ワースと視線を合わせれば、自分が震えるのがよく分かった。
「まだ俺に触れるのそんなに緊張するのかよ。俺たちの仲だろうがよォ。」
「……ワース、貴方はもう少し自分の面がいいことに自覚を持ってください。」
「ありがとな。」
「それ以上近付くな！！滅びるだろ！！大人しくベッドで寝ていてくださいッ！！」
「それくらいで滅びねェよ！！！」
沈黙が続き、しばらくしてワースは俺の手を手繰り寄せた。
胸元にトス、とワースの頭がやってくる。
「巻き込んで、すまなかった。」
「別に、俺はワースが無事であればそれで十分です。」
巻き込んで、が何を指しているのか分からない俺ではない。
きっと、あの日のことを指しているのだろう。
そんなものに、罪悪感を抱かせているこちらが申し訳なくなるくらいだった。
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ほり。(プロフ) - 作者様天才すぎませんか？！とっても面白いしストーリーは涙なしではとても見られません！！これからも頑張ってください！応援してます！！ (3月31日 22時) (
レス) @page37 id: a556898cd7 (このIDを非表示/違反報告)
ありさん(プロフ) - めっちゃ面白い！！！ほんとにあなた様天才ですよこんな面白い物語書けるなんて！！！いつも楽しみにしてます！！！頑張ってください！！！！！ (3月30日 6時) (レス) @page23 id: d57e220c95 (このIDを非表示/違反報告)
ソラサン(プロフ) - スッゴい面白いんで頑張ってください!!!!こういうドロドロ系？大好きなんで！ (3月28日 23時) (レス) @page22 id: 8b4b86c7c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小坂谷 真夜 | 作成日時：2024年3月18日 22時
