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次に目が覚めた時、俺はレインに担がれて運ばれていた。
後ろからは敵が迫っているのがわかる。
オーター様が道を切り離して応戦したとしてもあまりにも無茶だ。
レインも手負いなのは分かっている。
そんな中、俺を連れて逃げるのは無謀にも程があった。
「下ろせ、レイン。俺は捨てて行け。どの道助からない。」
「喋るな。」
「レイン。」
「喋るなと言っているだろう。」
「……兄さん。」
「黙れッ！！」
ほんの一瞬、レインの隙をついて魔法を発動させる。驚いたレインが俺を掴んでいる手の力を緩めたのを機に、スルリと抜け出し兄の影に沈んでいく。
これで、いいんだ。
少しでも、長く。
家族が少しでも助かる確率を上げたい。
「待って、待ってくれ…！行くなッ！！」
「フィンを、任せました、兄さん。」
レインの手が空を切る。そうして俺は対岸のオーター様の影から現れた。
これで、良かったのだ。
「なぜ、こちらに来た。アシェル。」
「まぁ、強いて言うなら、最後に悪足掻き位はした方がいいかなぁと思いまして。」
重い体にムチを打ち、杖を構える。
「レインは守るものが多すぎる。そこから外れただけです。」
「レインは、お前も守るつもりでいたぞ。兄の事を少しは頼ったらどうだ。」
「はは、それが言えるのに、ワースにはそれをしてやらないんですね、貴方。」
「………確かに、そうだな。」
息を整える。
これが最期かもしれない。
それは俺もオーター様も分かっていた。
それでも、立ち向かわなければならない。
「無駄口は済んだか？」
「おや、待っていてくれたんですね。」
「行きましょうか、アシェル。」
「はい。」
そうして戦闘が続くが、俺もオーター様もかなりの深手をおっている状態。ましてやオーター様は連戦続きで疲労も溜まっていた。
俺よりも先にオーター様が膝から崩れ落ちる。
「オーターさ、グッ！！」
その隙をつかれ、吹き飛ばされる。その衝撃で杖が転がって言ってしまう。
杖に手が届かない。杖さえ取り戻せば瀕死のオーター様を逃がすことが出来る。そうすれば治療だって受けられるはずだ。
その時、腕がパキリと音を立てて崩れ落ちた。
「クソ、ここまでか。」
フィンは、レインは、無事だろうか。マッシュ君は無事に復活しただろうか、治療を受けることが出来ただろうか。
『早く、お父様の元へ。』
『アシェル、可哀想なアシェル。』
『オヤスミ、アシェル。』
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ほり。(プロフ) - 作者様天才すぎませんか？！とっても面白いしストーリーは涙なしではとても見られません！！これからも頑張ってください！応援してます！！ (3月31日 22時) (
レス) @page37 id: a556898cd7 (このIDを非表示/違反報告)
ありさん(プロフ) - めっちゃ面白い！！！ほんとにあなた様天才ですよこんな面白い物語書けるなんて！！！いつも楽しみにしてます！！！頑張ってください！！！！！ (3月30日 6時) (レス) @page23 id: d57e220c95 (このIDを非表示/違反報告)
ソラサン(プロフ) - スッゴい面白いんで頑張ってください!!!!こういうドロドロ系？大好きなんで！ (3月28日 23時) (レス) @page22 id: 8b4b86c7c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小坂谷 真夜 | 作成日時：2024年3月18日 22時
