29.Powerless ページ29
あの後。フィンとは上手く話せず、気まずいまま、
俺はというと謹慎を告げられ、魔法局の一室に閉じ込められている。
閉じ込められた、と言っても監視が着いている訳でも鍵がかかっている訳でもない。このような状況下で急ごしらえでそれらを用意できるような環境下ではなかったからだ。
初め、オーター様は俺を殺せと言った。だが、まだ呪いに抗えていること、今はその時では無いことを理由にライオ様がそれを保留にして下さった。
分かっている。
自分が危険分子であるのは分かっている。
それでいて、このように何も出来ない状況に無性に腹が立った。
『お父様が呼んでいる。』
黙れ。
『ふん、まぁいい。』
煩わしい不快な声も、聞こえなくなり、律儀に用意された鏡でみんなの戦闘を見守る。
どうか、どうか、みんなが、フィンが無事でありますように。
そう祈ることしか出来ない自分の無力さを痛感した。
「フィン……。」
頼む。
無事であってくれ。
フィンに何かあれば、俺は。
俺は、どうすればいいんだ。
鏡の中ではみんなが戦闘している。
場面は激しく移り変わり、正直目を瞑りたかった。
今すぐに外に出たい。
助けに行きたい。
でも、今の俺が果たして足手まといにならないだろうか?
もし、呪いに呑まれたら?
もし、守れなかったら?
そんな自信はもう、なかった。
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ほり。(プロフ) - 作者様天才すぎませんか?!とっても面白いしストーリーは涙なしではとても見られません!!これからも頑張ってください!応援してます!! (3月31日 22時) (レス) @page37 id: a556898cd7 (このIDを非表示/違反報告)
ありさん(プロフ) - めっちゃ面白い!!!ほんとにあなた様天才ですよこんな面白い物語書けるなんて!!!いつも楽しみにしてます!!!頑張ってください!!!!! (3月30日 6時) (レス) @page23 id: d57e220c95 (このIDを非表示/違反報告)
ソラサン(プロフ) - スッゴい面白いんで頑張ってください!!!!こういうドロドロ系?大好きなんで! (3月28日 23時) (レス) @page22 id: 8b4b86c7c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:小坂谷 真夜 | 作成日時:2024年3月18日 22時