28.Despair ページ28
セル・ウォーへの尋問が続き、各々の役割が決まっていく中、セルの視線が俺を射抜く。
「それよりも、アシェル。なぜ貴様はそちら側にいるのだ。」
「黙れ。元からそちらの仲間になったつもりは無いですよ、セル・ウォー。」
「なんて生意気な！どこからお父様に対する反抗心が生まれたというのだ！お父様の血で生き長らえている分際で！」
皆の視線が集まる。
ずっと、隠していたが、もう隠しきれないようだった。
「どういう事だ、アシェル。」
「フン、知らないのか？可哀想に取引の道具だったんだよ、レアンの奴らの中に取引を渋った奴がいた。そいつの目の前でアシェル・エイムズを半殺しにし、協力するのであればアシェルを助けるという条件を課したらすぐにそいつは懇願したさ。」
「……ワースか。」
セルが名前を言わなかったものの、分かる人には分かってしまう。俺は、何よりワースが責められるのを恐れた。
「お互いにワースと庇いあってたって訳ですか。」
「待ってください、ワースは悪くな、」
「なぜ言わなかった、アシェル。」
「そ、れは…。」
俺が言い淀んだのを好機と言わんばかりに、セルは話を続ける。
「クローン体とまでは行かずとも、その命はお父様の呪いによって保たれていることを忘れるなよ、アシェル・エイムズ。」
「黙れよ、たかがクローン体の分際で。」
そこで再び俺に視線が集まる。
とことん、セルは余計なことしか言わない。
フィンが不安そうに俺を見つめ、俺の裾をきゅっと握りしめる。そんな顔を、させたいわけじゃなかった。心配をかけたくなかった。
「おい、呪いってなんだ。」
「それも聞かされてないのか？呪いが進行すればするほど、僕のようなクローン体に近い存在になっていく。つまり、アシェル・エイムズとしての死だ。」
「なっ！？」
「取引した時点でお前の運命はお父様のものなんだよ、アシェル・エイムズ。」
俺は何も言えず、黙り込んだ。
セルの言うことは何も間違っていないのだ。
『まずはセルを殺すか？』
不快な声が響く。
フィンの不安そうな視線に、レインの冷徹な視線。オーター様も何か言いたげな瞳を見せている。
こればっかりは、何も擁護できなかった。
『アシェル。』
不快な声に答える気力も無い。
俺は、どうしたらいいか途端に分からなくなってしまった。
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ほり。(プロフ) - 作者様天才すぎませんか？！とっても面白いしストーリーは涙なしではとても見られません！！これからも頑張ってください！応援してます！！ (3月31日 22時) (
レス) @page37 id: a556898cd7 (このIDを非表示/違反報告)
ありさん(プロフ) - めっちゃ面白い！！！ほんとにあなた様天才ですよこんな面白い物語書けるなんて！！！いつも楽しみにしてます！！！頑張ってください！！！！！ (3月30日 6時) (レス) @page23 id: d57e220c95 (このIDを非表示/違反報告)
ソラサン(プロフ) - スッゴい面白いんで頑張ってください!!!!こういうドロドロ系？大好きなんで！ (3月28日 23時) (レス) @page22 id: 8b4b86c7c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小坂谷 真夜 | 作成日時：2024年3月18日 22時
