25.Domina ページ25
「これが終われば迎えに来る。」
そう言ってドミナは部屋に結界を貼り、神覚者選定最終試験へと向かった。
逃げる気力もないくらいにはドミナに絆されているのか、はたまた呪いがそうさせているのか。もはや分からなかった。
それがドミナも分かっていたのだろう。
ここを出る際に杖を返された。信用されているのか、それとも試されているのか。俺には分からなかったが、杖があろうがなかろうが、ドミナに勝てる気はしなかったため、フィンの無事を祈りながら、杖を握りしめてドミナの帰りを待った。
どれくらい経った頃だろうか。ドミナの魔法で造られた拘束がパキリと音を立てて壊れた。
嫌な、予感がした。
箒に跨り、慌てて飛び出る。拘束が解けたのであれば結界も解けているはずだという俺の予想は的中し、簡単に外に出ることが出来た。
扉を通り抜けた際に激しい痛みが襲ってきたが、構わず空を飛ぶ。
「間に合えッ！」
試験会場は確か、グリーフの屋敷だったはずだ。場所はあまり覚えていないが、呪いのおかげだろう、何となく場所がわかる。
空から見えた屋敷は大きく崩れかけていた。
マズイ。
このままじゃ間に合わない。
箒の速度を上げて、屋敷の中に飛び入る。
中の惨状は酷いもので、中々思うように進めない。
「ドミナッ！どこです！？」
そんな時だった。
闇に沈み込みそうになりながらもマッシュ君を助けようとするドミナを見つけた。
あのままじゃ、二人とも危ない。
どうすれば、
どうすればいい？
そう悩んでいるうちに、満身創痍のドミナは、マッシュを魔法を使って助け出した。
死ぬ気だ。
「スキア、メタスタシスッ！」
魔法を使い、ドミナの影から手を出し、ドミナを掴んで引っ張りあげながら箒ごと影から上へと上がる。
「アシェル…！？何故ここにッ！？」
「拘束が壊れたので、危険な状態にあると判断しました。そんな貴方を放っておけません。」
「……僕は君を拐かしたんだぞ。」
泣きそうになりながら俯くドミナを抱える手を強める。
「初めてあった日。君の、君の手が暖かかったんです。」
「……とんだお人好しだな。いや、呪いに侵されてるのか。」
「呪いだろうがなんだろうが、助けたいと思った。それじゃダメですか？」
きっと、ドミナは抱き締めていたあの時間だって呪いによる偽りの時間だったの認識するのだろう。
でも違う。
これは、俺の意思だ。
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ほり。(プロフ) - 作者様天才すぎませんか？！とっても面白いしストーリーは涙なしではとても見られません！！これからも頑張ってください！応援してます！！ (3月31日 22時) (
レス) @page37 id: a556898cd7 (このIDを非表示/違反報告)
ありさん(プロフ) - めっちゃ面白い！！！ほんとにあなた様天才ですよこんな面白い物語書けるなんて！！！いつも楽しみにしてます！！！頑張ってください！！！！！ (3月30日 6時) (レス) @page23 id: d57e220c95 (このIDを非表示/違反報告)
ソラサン(プロフ) - スッゴい面白いんで頑張ってください!!!!こういうドロドロ系？大好きなんで！ (3月28日 23時) (レス) @page22 id: 8b4b86c7c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小坂谷 真夜 | 作成日時：2024年3月18日 22時
