3.Spring。 ページ3
あれから数日が経ち、春が訪れた。
イーストン魔法学校では入学式が執り行われ、皆が新学期に浮き足立っている中、俺は魔法局のインターンシップの手続きに追われたり、インターンシップで魔法局に出ていたりして、弟に会えないまま時が過ぎていた。
手紙伝で元気なことは知っているものの、同じ寮にいるにも関わらずこうも会えないとは驚いた。
「辛気臭ェツラだなァ、アシェル。さては弟にまだ会えてないんだろ？」
「大当たりですよ、ワース。」
俺自身の交友関係は狭く、こうしてワースと言葉を交わすことが多かった。
ワースは学年も寮も違うものの、何かと俺を気にかけてくれた。それは以前からそうであったが、数ヶ月前のある事件を境に、より一層彼は俺を気にかけている。それがなんともむず痒く、暖かいものであった。
「てか、魔法局のインターンシップ行くんだな、お前。」
「まぁ、一応。入局するつもりは今のところありませんが、社会のあり方を学ぶには最適でしょう？」
兄の職場に赴くのは本意ではない。顔を合わせることも少なくないだろう。二度とその面を見せるなと啖呵をきった程には、俺は兄と顔を合わせるつもりは微塵も無かった。
もちろん、神覚者であり、寮の監督生であるレインが俺の目に付くところに出てしまうのは仕方の無い事だ。しかし、自ら赴くのは話が変わってくる。
だから、俺はインターンシップを去年も希望を出さず、進路希望にだって魔法局という三文字を書くことは無かった。
きっと、魔法局に入りたいと言えばあのレインの弟であるというだけで入れてしまう可能性は限りなく高い。だが、それすらも癪であり、憎たらしい事実であった。
「弟のためか？」
「弟の為に弟との時間を削られるのは本意ではありません。単純に、校長から行けと言われたんですよ。」
「なるほどなァ。」
俺は都合のいい男ではないんだぞ。そう思わなくもなかったが、校長の指示はなるべく従うようにしている。そこにどんな真意が隠れているのか。それを俺は確かめる必要性があると思ったからだ。
「ワースは、ワースはインターンシップに行ったことは？」
「あるぜ。てか、行く以外に選択肢ないからなァ。」
そう言ったワースの顔に陰りが見え、しまったと思った。ワースの家庭環境を知らぬ訳では無い。俺とはまた違った、家庭環境がワースを苦しめていることはこの一年の間で何度も感じていたはずだった。
「すまない。」
「謝るなって。気にしてねぇよ。」
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ほり。(プロフ) - 作者様天才すぎませんか？！とっても面白いしストーリーは涙なしではとても見られません！！これからも頑張ってください！応援してます！！ (3月31日 22時) (
レス) @page37 id: a556898cd7 (このIDを非表示/違反報告)
ありさん(プロフ) - めっちゃ面白い！！！ほんとにあなた様天才ですよこんな面白い物語書けるなんて！！！いつも楽しみにしてます！！！頑張ってください！！！！！ (3月30日 6時) (レス) @page23 id: d57e220c95 (このIDを非表示/違反報告)
ソラサン(プロフ) - スッゴい面白いんで頑張ってください!!!!こういうドロドロ系？大好きなんで！ (3月28日 23時) (レス) @page22 id: 8b4b86c7c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小坂谷 真夜 | 作成日時：2024年3月18日 22時
