18.Nightmare…？。 ページ18
「にい、さま。」
「フィン？」
目を覚ます。
呼ばれた声に振り返れば、フィンが血塗れで立ち尽くし、俺をジッと見詰めていた。
血塗れなだけじゃない。額には無数の切り傷があり、足は大きく切られたあとがあった。きっと、目視できる範囲外にも怪我があるだろう。
なぜ、フィンが。
守りきれなかったのか…？
いてもたってもいられずに慌てて駆け寄ると同時に、フィンが足から崩れ落ち、それを抱えるように俺は受け止めた。
「誰に、誰にやられたッ！？いや、まずは治療を……！！」
「兄さま。」
「喋るなッ！今、今手当をするから……。」
「アシェル兄さま。」
フィンの手が俺の頬を撫でる。
「兄さまのせいで僕、こんなに痛い思いをしたんだ。」
「え、」
「兄さまは、本当に僕の兄さまなの？その血は、本当にアシェル・エイムズなの？」
その先は、聞きたくない。
違う。
これはきっと夢だ。
咄嗟にフィンを突き飛ばし、頭を掻き毟る。
「バケモノ。」
「違ッ！違うッ！」
フィンはそういうことは言わない。そう俺が思っているだけなのか…？と段々不安に襲われ、膝から崩れ落ちる。
違う。
違う。
俺は、フィンをこんな目に遭わせたかったわけじゃない。
フィンには幸せであって欲しくて、笑顔でいて欲しくて、傷ついてほしくなくて。
それが、その結果がこの有様なのか…？
どれだけ我慢しようが、涙が溢れて止まらない。
「守ると豪語したのは誰だったか。」
「レ、イン……？」
声のする方を見上げれば、レインがいつもの如く、いや、いつも以上に冷徹さを含む表情で俺を見下ろしていた。
「所詮お前はその程度なんだ。」
反論が出来ない。
間違ってない。
「僕の兄さまが、レイン兄さまだけだったら良かったのに。そうだったら、僕はこんなに傷付かなくて済んだのに。」
やめて、やめてくれ。
もうこれ以上、辞めてくれ。
そうして何も出来ないまま、意識は沈んで行った。
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ほり。(プロフ) - 作者様天才すぎませんか？！とっても面白いしストーリーは涙なしではとても見られません！！これからも頑張ってください！応援してます！！ (3月31日 22時) (
レス) @page37 id: a556898cd7 (このIDを非表示/違反報告)
ありさん(プロフ) - めっちゃ面白い！！！ほんとにあなた様天才ですよこんな面白い物語書けるなんて！！！いつも楽しみにしてます！！！頑張ってください！！！！！ (3月30日 6時) (レス) @page23 id: d57e220c95 (このIDを非表示/違反報告)
ソラサン(プロフ) - スッゴい面白いんで頑張ってください!!!!こういうドロドロ系？大好きなんで！ (3月28日 23時) (レス) @page22 id: 8b4b86c7c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小坂谷 真夜 | 作成日時：2024年3月18日 22時
