13.Consideration ページ13
「カルド様。そろそろ持ち場に戻ってください。」
「お迎えありがとう、アシェル。」
「あと、あまり弟を虐めないでいただきたいです。」
「……君の弟はいじめてないのだけれど。」
「怯えています。」
たどり着いた控え室は何をしたんだと言わんばかりの破損具合で、フィンは俺を見るなり安心したのか、ホッとため息をついていた。
実際にどんなやり取りが行われたのかは知らないが、フィンに危害が及ぶような状況は看過できない。
怒りを込めてカルド様に視線をやると、彼はよく分からない笑みを浮かべていた。
「そうだ、フィン。逃げたい時は逃げたらいい。だから、たのむ、無茶だけはするな。」
「ありがとう、アシェル兄さま。大丈夫、僕、やってみるよ。」
「大きくなったな。」
あまり見れていなくて申し訳ない、と告げると応援してもらえるだけで元気が出ると言うフィンは兄として誇らしい。
見ないうちに本当に大きくなった。
きっと、二次試験を乗り越えできただけあって、実力も高等部に入ってからつけてきたのだろう。
ピーピーと泣きながら俺とレインの後を手を繋ぎながら着いてくるフィンが懐かしく感じる。
まぁ、今でも泣き虫なのには変わりないだろうが。
「行きますよ、アシェル。」
「はい。それじゃあ。みんな頑張ってくださいね。」
どうか、何事もありませんように、と心の中で祈りつつ、俺とカルド様は控え室を後にした。
無言の中しばらく歩いていると、カルド様が口を開く。
「彼、イカれてるね。」
「……まぁ、カルド様がそう仰るのであればそうなのでしょう。」
彼。それはきっとマッシュ君を指すのだろう。フィンからも何度か話を聞いたが、少し、いや、かなり規格外の人間だと思う。
「次はマカロンとの対戦らしいね、彼。君はどう読む？」
「どう読む、と聞かれましても。俺はマッシュ君とはそんなに関わりがないので、彼の実力をあまり知りません。」
カルド様からいくつかの資料を受け取り、目を通しながら足を進める。
マーガレット先輩が魔道士として優れているのも、その強さも、よく知っている。
だが、マッシュ君。彼が本当に魔法不全者であるならば、イーストンにいるだけの実力は計り知れないだろう。
「でも、そうですね。期待はしていいのではないでしょうか。」
「ふぅん。」
カルド様は俺から資料を回収すると、面白い考察だね、と言って笑みを浮かべた。
「席に戻ってもいいよ、アシェル。」
「それでは。」
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ほり。(プロフ) - 作者様天才すぎませんか？！とっても面白いしストーリーは涙なしではとても見られません！！これからも頑張ってください！応援してます！！ (3月31日 22時) (
レス) @page37 id: a556898cd7 (このIDを非表示/違反報告)
ありさん(プロフ) - めっちゃ面白い！！！ほんとにあなた様天才ですよこんな面白い物語書けるなんて！！！いつも楽しみにしてます！！！頑張ってください！！！！！ (3月30日 6時) (レス) @page23 id: d57e220c95 (このIDを非表示/違反報告)
ソラサン(プロフ) - スッゴい面白いんで頑張ってください!!!!こういうドロドロ系？大好きなんで！ (3月28日 23時) (レス) @page22 id: 8b4b86c7c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小坂谷 真夜 | 作成日時：2024年3月18日 22時
