きみに捧げる2 ページ46
Aのその苦しげな瞳が薄く開いた。
「…パラ…ド……？」
「気が付いたか？しっかりしろよ」
ぼんやりとパラド見てAは無理矢理笑顔を作ってみせた。
「だ…いじょぶ…だよ…？」
声が掠れて辛うじてそう言うと、パラドのいつも余裕な顔がぐしゃりと悲しげに歪んだ。
「ウソつくなよ苦しそうだ…お前がゲーム病になるなんて…。どうしてそんな簡単なことも考えつかなかったんだろうな」
「…っ…」
「A…！」
突如いきなり襲い掛かった目眩。息苦しさ。胸を抉られるような痛みに呻きながら、Aが息も絶え絶えでパラドの服にしがみつくと、パラドはAをぎゅっと胸の中に抱き締めた。
「オレがゲーム病を治してやる。お前を苦しめてるバグスターを倒す」
「…パラ…ド…」
「……こんなにも心が震えるんだな…。コンティニュー出来ないなんて…人間の命はたった一つしかないなんて。人間て奴は不便だな」
薄れる意識の中で薄く目を開けるとパラドは切なく笑っていた。
「オレがバグスターを倒すまで消えるなよ？何があっても……お前だけは絶対に守る。全てを敵に回したっていい。…グラファイトの言う通りだ…オレは」
「……」
意識が落ちていく。パラドへと伸ばした手が落ちて、ぐったりと身体を預けた。
「お前に惚れてる」
遠ざかる意識の向こうに、
切ないその笑顔が薄れて消えた。
『きみに捧げる』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 89人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はむぽこ(プロフ) - 彩希さん» やっとひいろ先生の続編始めたよ〜♪( ´▽｀) (2017年7月30日 16時) (
レス) id: 3ea697d049 (このIDを非表示/違反報告)
はむぽこ(プロフ) - 彩希さん» ちょっと書いてみる(>_<)できるかなぁ〜。。 (2017年7月19日 12時) (レス) id: 3ea697d049 (このIDを非表示/違反報告)
彩希 - ひーろ先生の続編みたい！！ (2017年7月18日 14時) (レス) id: 0a944ca153 (このIDを非表示/違反報告)
はむぽこ(プロフ) - 彩希さん» ちょ〜雷鳴ってるー！めっちゃ光った〜(;゜0゜)続編さあ短編の続編出すか前に書いたひいろ先生話の続編書くか迷っててさ〜。どっちにしろ夏なカンジの話書きたいんだけどねぇ。 (2017年7月16日 18時) (レス) id: 3ea697d049 (このIDを非表示/違反報告)
彩希 - お楽しみ頂きました(笑)続編楽しみにしてるよー！！ (2017年7月16日 17時) (レス) id: 0a944ca153 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：はむぽこ | 作成日時：2017年4月30日 23時
