きみと風になる1(九条貴利矢) ページ23
派手な音と共に目の前に停まったバイク。アロハシャツにトレードマークの丸いサングラス。
「待った？」
「貴利矢おそーい！」
いっつもこうやって貴利矢は遅れてくる。今日は20分の遅刻。
ちゃっと丸いサングラスを下げるといたずらっ子みたいなその瞳。いっつもチャラチャラヘラヘラしてるけど、やるときはやる、そんなヤツ。
貴利矢はぽいっと私にヘルメットを投げてニッとして言う。
「ね、A。今から海いこ？」
「やった私も行きたかったトコ！」
「いーねその反応。ほら、ココ乗れ」
そう言ってぽん、とバイクの後部座席を叩く。メットをかぶって後部座席にまたがった。
「じゃ、いくぜ？しっかり掴まってな？」
「おっけ！」
貴利矢の背中の辺りに掴まると、ぐいと手を掴まれた。
「そーじゃないっしょ？こう！」
「！」
貴利矢のお腹の前辺りに両手を持ってかれて、しがみ付くみたいにぴったりと抱き付く形になる。
「…！…///」
「じゃーいくぜぇ〜」
「うんっ」
バイクのエンジン音と共に発進する。あっという間に流れていく周りの景色。ぐんぐん加速して風を切って走るバイク。私の大好きな瞬間。まるで二人で風になったみたいに。貴利矢にぎゅっと抱き付いて、その背中に頭を寄せた。
貴利矢……大好きだよ……
バイクを停めて海沿いの道を二人して歩いてく。
「いつもの場所行こっか」
「うん！」
貴利矢に手を引かれて浜辺を歩いてく。抜けるような真っ青な空とどこまでも続く水平線。遠くに小さく見える船。キラキラ光を反射する波打ち際。防波堤の端っこまで来ると並んで腰掛けた。貴利矢は隣でウーンと思いっきり伸びをした。
「あ〜気持ちーー。自分もう寝るわ」
「え！？」
ゴロンと仰向けになって目を閉じる貴利矢。
「ちょっと〜、寝ないでよぉ。つまんないー起きてよ貴利矢ぁー」
横になった貴利矢をぐいぐいと揺さぶる。
「いーじゃん気持ちんだもんよ。寝かしてよ」
「もぅ仕方ないなあ」
はぁと呆れたため息を吐いて諦めて前を向いた。寄せては返す波の音。日常から切り離されて解放されてく心。たしかに気持ちいーなあ。
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はむぽこ(プロフ) - 彩希さん» やっとひいろ先生の続編始めたよ〜♪( ´▽｀) (2017年7月30日 16時) (
レス) id: 3ea697d049 (このIDを非表示/違反報告)
はむぽこ(プロフ) - 彩希さん» ちょっと書いてみる(>_<)できるかなぁ〜。。 (2017年7月19日 12時) (レス) id: 3ea697d049 (このIDを非表示/違反報告)
彩希 - ひーろ先生の続編みたい！！ (2017年7月18日 14時) (レス) id: 0a944ca153 (このIDを非表示/違反報告)
はむぽこ(プロフ) - 彩希さん» ちょ〜雷鳴ってるー！めっちゃ光った〜(;゜0゜)続編さあ短編の続編出すか前に書いたひいろ先生話の続編書くか迷っててさ〜。どっちにしろ夏なカンジの話書きたいんだけどねぇ。 (2017年7月16日 18時) (レス) id: 3ea697d049 (このIDを非表示/違反報告)
彩希 - お楽しみ頂きました(笑)続編楽しみにしてるよー！！ (2017年7月16日 17時) (レス) id: 0a944ca153 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はむぽこ | 作成日時：2017年4月30日 23時
