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思い出して欲しかったは本心。
｢君の幸せを願っているから。｣
と、私は偽善にしか過ぎない言葉を、
いつかまた、君に会えたら伝えよう。
本当は結婚式なんて行きたくない。
本当は私だよ、と伝えたい。
なんでこんな、人魚姫みたいな展開になったんだろう？
人魚姫みたいに私の物語が進むのならば、
いっそ本当の事、泡になり、海へ消えたい。
『お前、、その目…』
精市が記憶をなくてして、退院してから数日経った時に一番最初に会ったのは丸井で。
私の顔を見て、目を見開いた。
｢嘘だろ、｣と、目を指さして。
『こうした方が、私には都合が良いんだよ。』
『都合が良いってお前…思い出してもらえるかもしれないだろい？！』
『そんな1つの物を見ただけで、記憶が戻りそうな感じじゃないよ、精市は。
だから、変えたって、なんの意味もないけど。』
『じゃあ、』
『いいんだよ、これで。
私が好きだったあいつが居ない。
なら、あいつが好きだった私も居なくなれば、平等て感じだろ？』
意味わからないことを言ってる。
私のしていることは精一杯の強がりで、
ただ、今の幸村から逃げてるだけだって分かってる。
“折角綺麗な、青なのに。”
そんな風に褒められたって嬉しくない。
綺麗だからなんだ、碧眼だからなんだ。
(もう、そんなの…)
『＿＿＿＿どうだっていいんだよ、丸井。』
今、幸せを掴もうとしているあいつを、
私は壊したくないから。
だから、何も言わずにさればいい、
私にそうしてくれた、“あの男”の様に。
何もかも、忘れればいい。
あいつと過ごした事も、好きだった事も。
私が手放せば、
すべてが、物語は結末へと向かう。
｢だって、お姫様は2人もいらないだろ？｣
泡となって消えるのは私の役目。
この選択に、後悔なんてしない。
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