愛の言霊 ページ20
You
「ねぇAさん
お願いがあるんだけど」
朝食を食べ終わり、テヒョンさんと向かい合って珈琲を飲んでいると
テヒョンさんがふと言いにくそうに口を開いた。
「はい」
「あの...俺もジョングギみたいに...
その、敬語じゃなくて、もっと親しみ込めて呼びたい...んだけど」
真剣な顔をして、たあいのないお願い事に拍子抜けする。
「全然いいですよ、どうぞ」
「それで、俺のことも...敬語無しで...呼んでくれたらなって...」
「え？」
「ジョングギはあだ名がついてるよね？
俺のこともテテって呼んで欲しいんだけど」
彫刻みたいに美しい、端正な顔のテヒョンに
縋るような、甘えるような目でじっと見つめられて
心臓が高鳴る。
「あ、じゃあ.......テテ？」
「なぁに、ヌナ」
ジョングクに呼ばれるのとはまた違う
低くて甘やかな声にドキドキしてしまう。
「テテ、よろしくね」
タジタジしながら言えば
満足そうに笑うテヒョン。
「呼び方を変えるだけで
心も距離も一気に縮まるよね？」
確かにその通りだ。
明らかに急に近くなる距離。
「ヌナ、緊張してるの？」
自分とは裏腹に余裕なテヒョンに
こういうことに慣れているんだろうなと思った。
「なんか急にそう呼ばれるとドキドキして」
「あはっ、早速効果あるね。
ジョングギに呼ばれてもドキドキする？」
「え？」
「ジョングギもAのこと呼び捨てしてるでしょ。
やっぱドキドキする？」
テテを見れば
微笑んでいるけれど、どこか拗ねたような表情で。
「しないよ。グクとはもう長い付き合いの友達だし」
「友達...ね」
全く納得してない顔をして頷くテヒョン。
その時、
寝癖全開の頭をくしゃくしゃ掻き回しながら、ジョングクがリビングへ入ってきて
「おはよ」
寝ぼけた顔で呟く。
「お風呂沸いてるよ」
「さんきゅ、入ってくる...。
テヒョンはよく眠れた？」
「有難う。世話かけてごめんね」
「いいよ。テンション高いお前が見れて面白かったから」
「え？俺、そんな高かった？」
「めちゃくちゃ」
「ヌナ、本当？」
不安そうな顔で私を見るテヒョン。
「ん、可愛かったよ」
「ま、まじか...」
頭を抱えるテヒョンがとても可愛くて
私とジョングクは顔を見合わせてくすっと笑った。
ジョングクがバスルームに向かった後すぐ、
テヒョンは仕事の準備があるからと
帰って行った。
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雨音(プロフ) - mgnさん» 先生とか止めて下さいー汗。私も嫌なことや苦しいことがあると、音楽やお話に救われます。私の作品は全然大したものではありませんが、でもこうして丁寧に読んでくださる方に感謝して続きも頑張ります。温かいお言葉ありがとうございました(^^) (2020年9月18日 8時) (
レス) id: d11e495b89 (このIDを非表示/違反報告)
雨音(プロフ) - ナノカさん» 今回は特殊な三角関係で、大丈夫かと不安でドキドキしていましたが、そうおっしゃって頂けてほっとしています。こちらこそこんな趣味全開のお話を読んで下さり本当に感謝の気持ちでいっぱいです。少しでもお暇潰しになっているならこれ以上嬉しいことはありません(^^) (2020年9月18日 8時) (レス) id: d11e495b89 (このIDを非表示/違反報告)
雨音(プロフ) - 二足歩行のアザラシさん» 趣味全開の拙い作品をいつも読んで下さってありがとうございます。自己満足とは言えこうして温かいお言葉に救われております。お気に召す結末か相変わらず不安ですが、最後まで頑張ります。 (2020年9月18日 8時) (レス) id: d11e495b89 (このIDを非表示/違反報告)
mgn(プロフ) - 雨音先生、今回も最高の世界をありがとうございます。悲しいことがあった次の日にこのお話に出会えて、まだ希望を信じて生きていきたいと思いました。三人の物語の一番良い結末を楽しみに頑張って働きます。よろしくお願い致します。 (2020年9月10日 12時) (レス) id: e0f3d823f3 (このIDを非表示/違反報告)
ナノカ(プロフ) - 雨音さん、新作ありがとうございます。本当に本当にお話の世界観に惹き込まれて一気に読みました。ジミンがジョングクに愛情を教えてあげるところなんて涙出てきて…3人の切ない三角関係にもう既にドキドキして続きが待ちきれないです。更新楽しみにしています！ (2020年9月10日 11時) (レス) id: 59d638975a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：amane
| 作成日時：2020年9月9日 12時
