Thirst for love

思わぬ再会 JK ページ14

Jungkook side




「そんなの...別に大丈夫だし」

「大丈夫じゃないでしょ」

「大丈夫。大丈夫じゃない時はちゃんと出て行って貰うから。
だから取りあえずはマンション引き払ってうちに来て」



Aの恋愛が今まで上手く行かないのは
自分のせいなんじゃないかといつも思っていたから

正直複雑な気持ちだった。


けれど怒ったようにまくし立てるAに
実際困っていたのも本当だったから

結局その申し出を有難く受けることにした。



「ヌナ...本当に大丈夫じゃない時は言ってよ」

「勿論」

「じゃあ、今月末にはマンションを退出するよ」



Aにはずっと心配をかけ続けてきたから
一緒に住むことで少しでもその負担が減らせるのなら

と、自分に言い聞かせた。



それから２日後───。



Aからコンセプトとデザイン案を見せて貰って
細かな説明を受けた後、撮影の準備に入る。



「女の子は赤いフードを被っているから
白い肌を強調する感じで。

男性モデルの方は狼だけど
彼氏の象徴でもあるから素敵に撮って欲しいの」

「食べようと思った赤ずきんの肌があまりに綺麗で恋をしたわけね。
しかもおばあさんにも。
それで２バージョンね。

ヌナやるじゃん、面白いよ」

「ありがとう」



その時衣装を来た女性モデルが入ってきて
Aは慌ただしく説明をして回っている。



「テヒョンさん来ました！」



スタッフに誘われて
やってきた主役へと目を向ければ



「！！」



テヒョンもすぐ俺に気づいて
驚いた顔で俺の方に近付いてきた。



「カメラマンてジョングクだったんだ。
すごい偶然」

「テヒョンこそ俳優だったなんて
全然知らなかった」

「雑誌の仕事と舞台しか出てないからねー」



申し訳なさそうに笑うテヒョンに



「でも今回はいい仕事じゃん」

「そうだね。Aさんのおかげだよ」

「A？
そっか、ヌナがテヒョンを口説いたんだ」



俺の言葉にテヒョンが目を見開く。



「ジョングクってAさんと知り合いなの？」

「大学の先輩だよ。
ヌナはデザイン科で俺は写真映像科だったけど、サークルが一緒だったから」

「ふーん」



俺と会話しながらもAの姿を目で追っているテヒョンに
何となく嫌な予感がした。



「今度プライベートで紹介して欲しいんだけど駄目かな？」

「何で？」



本当は分かってるくせに
わざとらしく訊けば



「お礼がしたくて」



そう言って
テヒョンが俺の手を握りしめた。

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