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Jin ページ37

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Aに連絡を取っても
会うことを拒否される気がして
Aのオフィスの前で待ち伏せた。


Aが会社を辞めて引っ越すことを
唐突にジミンから聞かされ
いても立ってもいられなくなって


途中で仕事を抜けて
車でAの会社の前まで乗り付けた。


1時間ぐらい待っただろうか。


オフィスのエントランスから出てくるAを見つけて
駐車していた車から慌てて降りて、Aの名前を呼ぶ。



「A!」

「ジン?!」



驚いた表情で俺を見つめるAに
人目も気にせずに駆け寄って
自分の腕の中に掻き抱いた。



「ジ、ジン?!」



腕の中で戸惑いながらも
俺を拒絶しないAに安堵しながら
久しぶりの温もりを堪能する。



「全然、連絡もしてくれないし
ジミニの店にも来ないから...心配してた」

「ごめんね、ちょっと忙しかったの」

「今日はこのまま拉致るよ。
家には俺が車で送っていくから」



そう言ってAを抱きしめる手に力を込めれば
何も言わず、素直に頷いてくれた。



「家に送る前に、少しだけ話、いいかな?」



車で向かったのは、よく商談で使う
都心でありながら閑静な場所に構える
隠れ家のような完全個室の小料理屋。



「Aと久しぶりにちゃんと話したくて」

「ジン、怒ってる、よね?」

「そんな悲しそうな顔で言われたら
怒れないじゃん」



相変わらずAには敵わない。


いつだって俺のことを
誰より理解してくれて


そんな人間、世界中探しても
A以外いないと分かっているから


A以外、愛せる人がいないのに────。



「黙っていなくなるつもりだった?」

「グクに訊いたの?」

「質問に答えて」

「.....ごめん」

「Aにとって、俺もジミニも
その程度の存在だったってこと?」

「ジン、そういうわけじゃないの!」

「じゃあどういうわけ?
俺たちに何も告げずに
黙って消えようとした理由は何?」

「落ち着いたら話そうと思ってた。本当だよ。たとえ離れても、私にとってジンもジミンも大切な友達なのは変わらないから」

「友達、じゃない」

「え?」

「既に知ってると思うけど
俺は昔から今もずっとお前のことが好きだよ。
友達としてじゃなく、誰よりも愛おしい女として好きだよ」



長年押し殺してきた想いを実際に口にすると

肩の荷が降りたような安堵と
幾重にも包み隠していた心が剥き出しになったような心細さに

幼子みたいに泣きたくなった。

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jkvjirmhs(プロフ) - そうなのですね!ゆっくりで大丈夫です🥰楽しみにしています! (2022年4月4日 18時) (レス) id: 201e14c658 (このIDを非表示/違反報告)
雨音(プロフ) - jkvjirmhsさん» 嬉しいコメントありがとうございます。そんな風に言って頂けて感謝です。最近時間が取れずに更新出来ずに本当に申し訳ありません。時はかかると思いますが必ず終わらせる予定ではありますので気長に待って頂けたら嬉しいです(涙) (2022年4月4日 12時) (レス) id: b76ef0bfee (このIDを非表示/違反報告)
jkvjirmhs(プロフ) - はじめまして!とても面白くてつい一気に最後まで読み進めてしまいました、こちらの更新は予定されておりますか、? (2022年3月31日 16時) (レス) @page40 id: 201e14c658 (このIDを非表示/違反報告)
雨音(プロフ) - kimkana618さん» 温かいお言葉有難うございます!そう言っていただけてほっとしています。なかなか更新できず申し訳ありません。最後まで楽しんで下さったらとても嬉しいです((^^)) (2021年9月17日 17時) (レス) id: d11e495b89 (このIDを非表示/違反報告)
kimkana618(プロフ) - はじめまして。とても面白くて、いっきに読んでしまいました^ ^続きを楽しみにしてします! (2021年9月9日 13時) (レス) id: 6421b72e6e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:amane | 作成日時:2021年6月14日 13時

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