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Jimin ページ30

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『ジニヒョン、ジョングギは俺達に何か隠してますよね?』



店を閉めて
酔い潰れたジョングギを店の奥の休憩室に運んだ後

ジニヒョンの隣のカウンター席に座って
4杯目のテキーラをあおっていると



『お前も潰れる気か』



ジニヒョンに手首を掴まれる。



『俺だって潰れたい時もあります』



恨みがましくジニヒョンを見つめがら



『ヒョンも過去に雨音と何かあったんですか?』



低い声で訊けば
ジニヒョンが目を見開いて
慌てて俺から視線を外す。



ヒョンは嘘がつけない。


そこがジニヒョンの最も愛すべきところだし
Aがジニヒョンを信頼する所以だとも
知っている。



『....俺、断ったんだ。
多分、多分だけど、あの時Aは
俺に初めてだって言ってたから....
ジホとそうなる前に、きっとAは....』

『そうだったんですね。
Aはきっと怖かったんですよ』



好きでもない
むしろ嫌いな男に
自分の初めてを奪われることに。

自己の尊厳が踏みにじられることに。


どれだけ怖くて、辛くて、苦しい日々を過ごしたんだろう。


誰にも救いを求めることができない代わりに
せめて初めてが嫌いな男とではない記憶になることで
少しでも自分を救いたかったに違いない。



『俺...間違った?』

『分かりません。
だけど、ヒョンの誠実さと
Aを大切に想うからこそ断ったってことは
きっとちゃんと伝わってますよ』



Aの尊厳を踏みにじって傷つけることしか出来なかった俺より

自分の欲の為にAを受け入れて
自分が傷つくのが怖くてAを拒否した俺より

ジニヒョンの対応は
Aを救ったはずだ。



俺の腕の中で可愛い声を上げ
俺にしがみつきながらも
決してキスをさせてくれなかったA。


それでも、あの時、わずかでもいい。
俺もAの救いになっていたんだと思いたいけれど。



『ジョングギと別れたなら
俺、最後にもう一度頑張ってみるよ』



そう言って
ジニヒョンがじっと俺の目を見つめる。



『ジミナは?お前はもういいの?』

『え?』

『お前だって今でもAのことが好きなんだろ?』

『別に俺はそんなんじゃ....』

『Aとお前が付き合ってたこと
俺が知らないとでも?』

『え?』

『全部合点がいったんだ。
あの後のAのこと
お前が救ってくれてたんだな』



全部、知ってた....?



ああ、この人には敵わない。

悔しいけれど敵わない。



俺は再びテキーラをあおった。

Taehyung→←4



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jkvjirmhs(プロフ) - そうなのですね!ゆっくりで大丈夫です🥰楽しみにしています! (2022年4月4日 18時) (レス) id: 201e14c658 (このIDを非表示/違反報告)
雨音(プロフ) - jkvjirmhsさん» 嬉しいコメントありがとうございます。そんな風に言って頂けて感謝です。最近時間が取れずに更新出来ずに本当に申し訳ありません。時はかかると思いますが必ず終わらせる予定ではありますので気長に待って頂けたら嬉しいです(涙) (2022年4月4日 12時) (レス) id: b76ef0bfee (このIDを非表示/違反報告)
jkvjirmhs(プロフ) - はじめまして!とても面白くてつい一気に最後まで読み進めてしまいました、こちらの更新は予定されておりますか、? (2022年3月31日 16時) (レス) @page40 id: 201e14c658 (このIDを非表示/違反報告)
雨音(プロフ) - kimkana618さん» 温かいお言葉有難うございます!そう言っていただけてほっとしています。なかなか更新できず申し訳ありません。最後まで楽しんで下さったらとても嬉しいです((^^)) (2021年9月17日 17時) (レス) id: d11e495b89 (このIDを非表示/違反報告)
kimkana618(プロフ) - はじめまして。とても面白くて、いっきに読んでしまいました^ ^続きを楽しみにしてします! (2021年9月9日 13時) (レス) id: 6421b72e6e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:amane | 作成日時:2021年6月14日 13時

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