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「ヌナ、今ここで俺に消えて欲しい？」
身体から始まった関係だった。
言葉よりも、心よりも
先に身体を繋げてしまった代償は
泡沫のような恋の不安を
身体を求め合うことでしか
解消できなくなっていたことかもしれない。
もっとAの心の琴線に触れることを
恐れさえしなかったから
結末は変わっていたんだろうか。
今からじゃ、遅すぎるんだろうか。
「ヌナ、俺はどうしたらいいの？」
一欠片ほどの望み、願い、祈り。
けれどそれは残酷な言葉によって
無惨にも打ち砕かれる。
「グク、今日は、帰って....
また連絡するっ、から、」
その後、自分が何を答えて
どうやってあのアパートを出たのか
何も覚えていなかった。
気づいた時、立っていたのはBAR CATHARSISの前で。
客を見送る為に
ドアを開けたジミンにぎょっとされた。
『ジョングガ？お前どうしたんだよ。
びしょ濡れじゃん！』
客にお辞儀をして見送った後
ジミンが俺の手を取り
店の1番奥の席へ連れていく。
『これ、タオル。頭拭けよ。
傘持ってなかったのか？
つか、お前、泣いてる？』
俺の頭にばさっとバスタオルを被せたジミン。
『とりあえずそこ座ってて。
客足途切れたらここに来るから』
相変わず冷たい言い方でも
心配してくれていることは分かるから
胸が痛くなる。
雨が降っていることも
自分が泣いていることも
気づかなかった。
俺、ダメダメだ。
バスタオルを握りしめ
しばらく被ったまま
声を殺して泣き続けた。
『はい、お待たせ』
まだバスタオルを被ったままの俺の前に
差し出されたカクテル。
『モヒート。
意味は心の乾きを癒して。だよ』
『ヒョンは何でもお見通しなんですね』
『いつだって強気で前向きなお前が
そんな風になるのは、どうせAのことだけだろ？』
『ヒョン....俺今ならヒョンの気持ちが分かります。
道具は...辛い』
『お前は、単なる道具じゃなかったと思うけどね』
その時、店のドアが開き
ジミンが席を立ち上がる。
『ジニヒョン、こっちです』
え....？
『俺、まだ仕事あるんで、ジニヒョン、
悪いんですけど、このバスタオルウサギと
しばらく一緒に飲んでて貰えますか？』
『了解。テキーラ頂戴』
『はい』
俺の向かいに座ったジニヒョンが
俺が被っていたバスタオルをゆっくりと取り上げる。
『ジョングガ』
優しい声に、再び涙が込み上げた。
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jkvjirmhs(プロフ) - そうなのですね！ゆっくりで大丈夫です🥰楽しみにしています！ (2022年4月4日 18時) (
レス) id: 201e14c658 (このIDを非表示/違反報告)
雨音(プロフ) - jkvjirmhsさん» 嬉しいコメントありがとうございます。そんな風に言って頂けて感謝です。最近時間が取れずに更新出来ずに本当に申し訳ありません。時はかかると思いますが必ず終わらせる予定ではありますので気長に待って頂けたら嬉しいです(涙) (2022年4月4日 12時) (レス) id: b76ef0bfee (このIDを非表示/違反報告)
jkvjirmhs(プロフ) - はじめまして！とても面白くてつい一気に最後まで読み進めてしまいました、こちらの更新は予定されておりますか、？ (2022年3月31日 16時) (レス) @page40 id: 201e14c658 (このIDを非表示/違反報告)
雨音(プロフ) - kimkana618さん» 温かいお言葉有難うございます！そう言っていただけてほっとしています。なかなか更新できず申し訳ありません。最後まで楽しんで下さったらとても嬉しいです（(^^)） (2021年9月17日 17時) (レス) id: d11e495b89 (このIDを非表示/違反報告)
kimkana618(プロフ) - はじめまして。とても面白くて、いっきに読んでしまいました^ ^続きを楽しみにしてします！ (2021年9月9日 13時) (レス) id: 6421b72e6e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：amane
| 作成日時：2021年6月14日 13時
