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目が覚めた時、落胆して溜め息が出た。


幸せな夢が終わってしまったことに気づいたから。



もう一度眠ろうと目を瞑ったその時
額に何か乗っていることに気づいて

手で触れると
乗っていたのは濡れタオルだった。



まさか....?



慌ててベッドから身を起こし
辺りを見回したけれど
期待するようなことは何も見つからず

再び落胆して息を吐く。


朦朧とする頭で
自分でタオルを乗せて寝たんだろうか。


自分に感心していると
ワカメスープの良い匂いが漂ってきて



やっぱり誰かいる....?



急いでベッドから飛び降りて
寝室のドアを思い切り開けた。


瞬間、足がもつれて転んでしまい
床に座り込んでいると



「ちょっ、テヒョン!大丈夫?!」



慌てた声と共に
キッチンから出てきたAの姿に
驚いて目を見開く。



何だ、これ....夢の続き?



「A....なんで?」

「何でって、警察署の前でテヒョンが倒れたから。
熱は?数時間前に解熱剤飲ませたから
少しは楽になった?」

「ねぇ、これって、夢....?」

「夢じゃないってば。しっかりして」



Aが普通に喋ってる。
俺に普通に話しかけてる。


とてもこれが現実だなんて
信じられなかった。



「俺が病気だと
Aは俺を避けないの?」



ならばずっと病が治らなくてもいい。
Aが優しくしてくれるなら
不治の病でも死に至る病でも構わない。



「もしかしてまだ熱がある?」



俺の様子がおかしくて心配なのか
近寄って俺の額に手を当てるA。


その手を捕まえて
Aの身体を自分の方へ引き寄せる。


驚いて目を見開くAを
そのまま腕の中に閉じ込めた。



「テヒョン?!
まだしんどいならベッドで寝てた方が」



俺の身体から離れようとして
慌てて腕を突っ張るAに



「お願い、離れないで....」



掠れた声で懇願した。



「逃げないで。
もう俺を避けないでよ....」

「ど、どうしたの、急に」



不安なのか、小さな声になるAに
伝えたいことは色々とあったけれど



「好きだよ。
だから避けられると死ぬほど辛いんだ」



まずは一番伝えたい言葉を口にした。



「言いたくて、でも怖くて言えなかった。
本当は、好きだって、愛してるって
ずっと言いたかった」



Aが俺を見つめ返したまま、固まった。

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jkvjirmhs(プロフ) - そうなのですね!ゆっくりで大丈夫です🥰楽しみにしています! (2022年4月4日 18時) (レス) id: 201e14c658 (このIDを非表示/違反報告)
雨音(プロフ) - jkvjirmhsさん» 嬉しいコメントありがとうございます。そんな風に言って頂けて感謝です。最近時間が取れずに更新出来ずに本当に申し訳ありません。時はかかると思いますが必ず終わらせる予定ではありますので気長に待って頂けたら嬉しいです(涙) (2022年4月4日 12時) (レス) id: b76ef0bfee (このIDを非表示/違反報告)
jkvjirmhs(プロフ) - はじめまして!とても面白くてつい一気に最後まで読み進めてしまいました、こちらの更新は予定されておりますか、? (2022年3月31日 16時) (レス) @page40 id: 201e14c658 (このIDを非表示/違反報告)
雨音(プロフ) - kimkana618さん» 温かいお言葉有難うございます!そう言っていただけてほっとしています。なかなか更新できず申し訳ありません。最後まで楽しんで下さったらとても嬉しいです((^^)) (2021年9月17日 17時) (レス) id: d11e495b89 (このIDを非表示/違反報告)
kimkana618(プロフ) - はじめまして。とても面白くて、いっきに読んでしまいました^ ^続きを楽しみにしてします! (2021年9月9日 13時) (レス) id: 6421b72e6e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:amane | 作成日時:2021年6月14日 13時

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