君ナシデ愛ヲ知レナイ 2

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何度抱けば愛し合える？

何度同じ朝を迎えれば

俺達は同じ気持ちになれるの────？





示談はすぐに成立した。


相手の男は、ボコボコにされた腹いせと
金銭目的の為の被害届だったのだろう。


自分に原因があることも理解していて
満足する金額の提示にあっさりと印を付き
被害届も取り下げると約束してくれた。


それから数日後
無事、不起訴により釈放されたテヒョン。


身元を引き受けに行った俺とAを前に
テヒョンが頭を下げた。



「もう大丈夫だから帰って」



頭を下げたまま、そう言ったテヒョンの身体がよろめいて

咄嗟にその身体を支えれば
熱すぎる身体に驚く。



「ヌナ、テヒョンイ熱がある」



俺とAはテヒョンを支えながら
タクシーに乗り込んだ。



具合の悪いテヒョンを二人でアパートまで運び、荷解きの途中の部屋を片付けてベッドに寝かせる。



「冷蔵庫の中の物や薬買ってくる」



俺にテヒョンを看ているよう頼んで
買い物に出ていったA。


額に汗を滲ませ、浅い呼吸を繰り返すテヒョンの顔を濡れタオルで拭いていると

ふと床に転がっている煙草が目に入った。



ユンギヒョンと同じ銘柄。



ユンギヒョン....？



『不倫なのか片想いなのか....
何れにしても煙草吸う奴だよ。
俺と同じ銘柄の』



ユンギヒョンが言っていた言葉を思い出す。



『まさか....』



そんなことあるはずがない。

あるはずが。



不倫？片想い？

だけどAに他の男の影はないように思う。


愛する男の身代わり？



報われない恋。

許されない恋。

愛する男の煙草の匂いを求める心理。


心臓がドクドクと波打ち
上手く息が吸えなくなる。


頭がガンガンして
吐き気が込み上げた。



どういうこと？

全然、
分からない。


本当に、分からない？



「ヌナ....違うよね....」



真実を確かめたい。


けれど二人に問い詰めたところで
絶対にシラを切り通すだろうから


だから部屋を飛び出した。




ジホに会いに行く為に─────。

Taehyung→←6

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