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何よりも憎んだのはこの血。
何よりも欲しかったのはAと違う血。
愛が欲しいとか
心が欲しいとか
身体だけじゃ耐えられなかったとか
そんなことを言えるジミンが羨ましかった。
俺はそんな苦しみや辛さすら
得ることができない。
俺はただ、たった一つ
他人という立場が欲しかった。
ただ、それだけだった。
それだけだったのに──────。
＊
同じ家に暮らしていても
ほとんどがすれ違い生活で
顔を合わせることは滅多にない俺達。
いつも固く閉じられたAの部屋のドア。
そのドアを蹴破って
Aを抱きしめたら
あなたはどんな表情をするだろう。
怯え？
軽蔑？
嫌悪？
それ以上だ。
決してできるはずがない。
それはジホがしたこと以上に
決して、してはいけない大罪だから─────。
Aはもう寝ているだろう。
そう思いながらも
Aの部屋のドアに向かって呟いた。
「姉さん、俺、この家を出ていくよ」
もう限界だった。
元々ろくに口も聞いていない姉弟。
互いに自立して、自活できている今
もう一緒にいる意味はない気がした。
『ボラへ』
過去も、現在も、未来も
永遠に言えることのない言葉の代わりに。
『ボラへ、A』
最後にこの言葉を送るよ─────。
その時、荒々しく開いたドア。
中から出てきたAの表情は
『姉さ....？』
今まで見たこともない程
動揺し、青ざめていた。
「お、起きてたの？」
「出ていくってどういうこと？」
「ああ、うん、前から考えてたんだけど
互いにいい歳だし、自立してるわけだし
そろそろ一人暮らしでもいいかなって」
「....そう」
一瞬、Aが泣くのではないかと思った。
明らかにショックを受けた表情をしていたから。
なんで────？
ずっと俺のことを避けていたのは
Aの方で。
だから俺はAの為を想って。
「あ、もしダメだったら──」
「好きにして」
冷たく言放ち、再び部屋に戻って
ドアを閉めてしまうA。
ねぇ、
そんな態度を取られたら
期待しちゃうじゃん。
そんなわけないって思っても
期待しちゃうじゃん。
本当は俺と離れたくないんじゃないかって。
それが馬鹿げた妄想だったとしても
俺に対する感情が「無」じゃないことは確かだから。
そんなことでさえ嬉しくて
舞い上がる心。
「まじ、やべー」
込み上げる感情に耐えきれず
思わず両手で顔を覆った。
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jkvjirmhs(プロフ) - そうなのですね！ゆっくりで大丈夫です🥰楽しみにしています！ (2022年4月4日 18時) (
レス) id: 201e14c658 (このIDを非表示/違反報告)
雨音(プロフ) - jkvjirmhsさん» 嬉しいコメントありがとうございます。そんな風に言って頂けて感謝です。最近時間が取れずに更新出来ずに本当に申し訳ありません。時はかかると思いますが必ず終わらせる予定ではありますので気長に待って頂けたら嬉しいです(涙) (2022年4月4日 12時) (レス) id: b76ef0bfee (このIDを非表示/違反報告)
jkvjirmhs(プロフ) - はじめまして！とても面白くてつい一気に最後まで読み進めてしまいました、こちらの更新は予定されておりますか、？ (2022年3月31日 16時) (レス) @page40 id: 201e14c658 (このIDを非表示/違反報告)
雨音(プロフ) - kimkana618さん» 温かいお言葉有難うございます！そう言っていただけてほっとしています。なかなか更新できず申し訳ありません。最後まで楽しんで下さったらとても嬉しいです（(^^)） (2021年9月17日 17時) (レス) id: d11e495b89 (このIDを非表示/違反報告)
kimkana618(プロフ) - はじめまして。とても面白くて、いっきに読んでしまいました^ ^続きを楽しみにしてします！ (2021年9月9日 13時) (レス) id: 6421b72e6e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：amane
| 作成日時：2021年6月14日 13時
