チョコレートケーキ（短編）

ﾊﾞﾆﾗ 3(Kento) ページ28

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A「……健人くん、好き」



なんか癪だけど、私は言った。





その言葉を聞くと。








健人くんは。






最後まで一気に、水を飲んだ。









え、私の水は！？




と、思って見ていると。






ぐいって腰を抱き寄せられて。



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キスされた。






唐突に。







口内へ冷たい水が流れ込んできて。





頭を支えられているから、逃げられなくて。








水なのに、それは。







むせ返るような、甘いバニラで。





私はこほこほ、って、咳き込んだ。









ちょっと苦しくて、涙目になったのが自分でもわかった。







健人「言ったでしょ？
飲ませてあげる、って」



健人くんは、口元に滴る水をぐいって拭って。



ね？って言った。












A「……っ」

健人「苦しかった？
ごめんね？」




そう言って、しゃがんで。





私の頭を撫でてくれた。









A「……ひどいよ」





ほんとに、苦しかったんだから。




てか、鼻から水が出たりでもしたら洒落にもなんないから！




ほんとに！







そしたら私は泣くと思う。←









健人「ちょっとまって！」


A「……え？」





健人「涙目のA、かわいい！」




マジでやばい！って健人くんは、言った。









……もうだめだ。







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